
こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである(株)ジーエス・ユアサ コーポレーション【6674】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。


この記事でわかること
・バリュー投資の7つの基準に沿った(株)ジーエス・ユアサ コーポレーション【6674】 の評価
どんな会社?
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・(株)ジーエス・ユアサ コーポレーション【6674】は割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株は何か?を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。


(株)ジーエス・ユアサ コーポレーション【6674】 の基本情報
・設立年月日 2004年4月1日
・上場年月日 2004年4月1日
・業種 電気機器
・特色 車載用鉛電池、産業用電池電源が主力。鉛蓄電池で世界2位。リチウムイオン電池の育成注力。
・資本金 330億円
・従業員数 (単独)11人 (連結)13,571人
・株価 2,299円(2022.10.7)
・単元 100株
・決算 3月末日


株式会社ジーエス・ユアサ コーポレーションは持株会社で、傘下のグループ企業全体の経営戦略を策定・統括し、グループの企業価値の最大化を図っています。
グループとしては、フォークリフトや電動車いすなどの電動車両用鉛蓄電池のほか、携帯電話基地局向けやビル・上下水道・発電所など社会インフラ設備の電力バックアップ用電源装置を提供し、高度情報化社会を支えています。 また、太陽光発電設備用パワーコンディショナの提供を通じて、再生可能エネルギーの普及に貢献しています。
企業理念は「革新と成長」、「電池で培った先進のエネルギー技術で世界のお客様へ快適さと安心をお届けします」という経営ビジョンのもと、社員と企業の革新と成長を通じ、人と社会と地球環境に貢献することを目指されています。
ではここからは、(株)ジーエス・ユアサ コーポレーションに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
電気機器247社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 1816億3300万円(52位) |
売上高 | 4321億3300万円(31位) |
営業利益 | 226億6400万円(43位) |
経常利益 | 246億8400万円(45位) |
純利益 | 84億6800万円(65位) |
営業利益率 | 5.2%(163位) |
純利益率 | 2.0%(201位) |
総資産 | 5219億5200万円(35位) |
負債 | 2598億7100万円(27位) |
電気機器の中で売上高は31位、総資産は35位。利益率は低く、純利益率は2.0%の201位。鉛蓄電池で世界2位ですからね。事業規模は十分です。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「年内に現金になる資産(流動資産)が、年内に支払うべき負債(流動負債)の2倍以上であること」。 また、②「来年以降に支払うべき負債(長期負債=固定負債)が、流動資産からすべての負債を差し引いた純流動資産を超えていないこと」。
2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:2520億1100万円
流動負債:1565億3100万円
固定負債:1033億3900万円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 1.61倍で基準未達、
②も、固定負債1033億3900万円 > 純流動資産954億8000万円 で基準未達となり、
よって、流動資産に対して流動/固定いずれの負債の割合も高く、基準未達です。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績を確認すると、毎年しっかり利益を上げられており、問題ありません。基準達成です。
年度 | 純利益 |
2013年3月 | 57億6700万円 |
2014年3月 | 99億8200万円 |
2015年3月 | 100億4300万円 |
2016年3月 | 90億3000万円 |
2017年3月 | 122億2900万円 |
2018年3月 | 114億4900万円 |
2019年3月 | 135億2400万円 |
2020年3月 | 136億7400万円 |
2021年3月 | 114億5500万円 |
2022年3月 | 84億6800万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間の1株当たり純利益(EPS)が最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
IR情報を確認すると、EPSの最初の3年平均が104.1円、直近の3年平均が138.5円なので、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = 33.0%となり、ぴったり基準達成です。
年度 | EPS | |
2013年3月 | 69.72円 | |
2014年3月 | 120.9円 | 3年平均:104.1円 |
2015年3月 | 121.65円 | |
2016年3月 | 109.38円 | |
2017年3月 | 148.14円 | |
2018年3月 | 138.89円 | |
2019年3月 | 164.74円 | |
2020年3月 | 168.23円 | |
2021年3月 | 141.91円 | 3年平均:138.5円 |
2022年3月 | 105.22円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年きっちり配当が出ていますね。基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年3月 | 30円/株 | 0.95% |
2011年3月 | 40円/株 | 1.45% |
2012年3月 | 40円/株 | 1.76% |
2013年3月 | 30円/株 | 1.57% |
2014年3月 | 40円/株 | 1.46% |
2015年3月 | 50円/株 | 1.85% |
2016年3月 | 50円/株 | 2.08% |
2017年3月 | 50円/株 | 1.93% |
2018年3月 | 50円/株 | 1.72% |
2019年3月 | 50円/株 | 2.3% |
2020年3月 | 50円/株 | 3.44% |
2021年3月 | 50円/株 | 1.67% |
2022年3月 | 50円/株 | 2.14% |
なお、株主優待はありません。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PER(株価収益率)」が15倍以下であること。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは15.41倍であり、基準未達です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBR(株価純資産倍率)が1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは0.83倍であり、①のPBRは基準達成です。
②のPER × PBR も12.79で基準達成です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 評価結果 | 備考 |
①事業規模 | 〇 | 売上高4321億円 |
②財務状況 | × | 流動&固定負債多い |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | 〇 | +33.0% |
⑤配当 | 〇 | 利回り2.14% |
⑥株価収益率 | × | 15.41倍 |
⑦株価純資産倍率 | ◎ | 0.83倍 |
財務状況と株価収益率の2項目で基準未達となり、「(株)ジーエス・ユアサ コーポレーションは割安株に該当しない」という結果となりました。流動資産に対して流動/固定いずれの負債の割合も高いですね。またPERが高いということは既に株価も高い、ということになります。
GSユアサは、鉛蓄電池とリチウムイオン電池という2つの柱を持つ強みはあるものの、長期目線で考えると、鉛電池事業は先細りであり、リチウム電池事業は海外勢や国内大手との競争が激しく先行きが不透明という課題があります。自動車用だけでなく、今後は民生家電用に進出するなど、スケールメリットが発揮して一層のコストダウンを進めるような動きが必要なのかもしれません。
というわけで現時点では、
「バリュー投資」の7つの基準をすべてクリアしているのは、
・コムシスホールディングス【1721】
・積水ハウス【1928】
・宝ホールディングス【2531】
・SUMCO【3436】
・東ソー【4042】
・日本ガイシ【5333】
・アマダ【6113】
の7社となりました。
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。


以上、皆さんの参考になれば幸いです。




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