沖電気は割安株なのか?バフェット流「バリュー投資の7つの基準」で日経225銘柄を評価!

なみ

こんにちは、なみです。

今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである沖電気工業(株)【6703】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。

この記事でわかること
・バリュー投資の7つの基準に沿った沖電気工業(株)【6703】 の評価
 どんな会社?
 事業規模は?
 資産と負債のバランスは?
 収益の安定性と成長性は?
 配当はしっかり出てるのか?
 株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・沖電気工業(株)【6703】は割安株なのか?

あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株は何か?を探し当てるためのご参考にしていただければ幸いです。

ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。

目次

沖電気工業(株)【6703】 の基本情報

・設立年月日 1949年11月1日
・上場年月日 1951年11月
・業種    電気機器
・特色    祖業の情報通信システムのほかプリンタ、ATM、EMSの4本柱。社会インフラシステム育成。
・資本金   440億円
・従業員数  (単独)4,904人 (連結)15,006人
・株価    715円(2022.10.11)
・単元    100株
・決算    3月末日

沖電気工業株式会社(通称「OKI」「沖電気」)は、日本最初の通信機器メーカーとして創業以来、長年にわたり電話交換機の製造を行ってきた経緯から、NTTグループとの関係が強く、情報通信、メカトロシステム、プリンター、EMSを事業部門として持ち、金融機関、官公庁、企業・法人などを中心に各種製品・ソリューションを提供しています。

特に、ATMは国内外において高シェアを占めており、EMS事業でも積極的に買収を進めるなど新分野の開拓も進めています。また、海上自衛隊向けに潜水艦ソナーシステムやソノブイなどを納入するなど、軍需企業としての側面も併せ持っています。

ブランドスローガンに「Open up your dreams」を掲げ、「進取の精神」をもって世界の人々の心豊かで安心、安全な夢の社会への扉を開くことを表しています。また、夢や希望が現実のものとなる情報社会を実現することを目指されています。

ではここからは、沖電気工業(株)に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。

①事業規模

事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」

日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。

電気機器247社の中での各項目のランキングは以下の通りです。

時価総額630億5900万円(83位)
売上高3520億6400万円(38位)
営業利益58億6400万円(88位)
経常利益76億9100万円(85位)
純利益20億6500万円(125位)
営業利益率1.7%(211位)
純利益率0.6%(217位)
総資産3716億1900万円(41位)
負債2699億2400万円(26位)
業績に関する各種項目

電気機器の中で売上高は38位で、総資産は41位。利益率は低く、純利益率は0.6%の217位ながら、情報通信やATM事業などで高シェアを持つ企業の一社であり、事業規模は問題なしです。

②財務状況

次は財務状況。評価基準は、①「年内に現金になる資産(流動資産)が、年内に支払うべき負債(流動負債)の2倍以上であること」。 また、②「来年以降に支払うべき負債(長期負債=固定負債)が、流動資産からすべての負債を差し引いた純流動資産を超えていないこと」

2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:2127億3000万円
流動負債:1707億9800万円
固定負債:991億2500万円 なので、

①は、流動資産 / 流動負債 = 1.25倍で基準未達

②は、固定負債991億2500万円 > 純流動資産419億3200万円 で基準未達となり、

よって、流動資産に対して流動/固定負債いずれの割合も高く、基準未達です。

③収益安定性

収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」

過去10年の業績を確認すると、2021年に赤字が出ていますね。新型コロナの影響による海外販売の計画未達などで売上高が予想を下回り、繰延税金資産の取り崩しも影響したんだそう。残念ながら基準未達です。

年度純利益
2013年3月135億9900万円
2014年3月 273億5900万円
2015年3月330億9100万円
2016年3月66億900万円
2017年3月46億9100万円
2018年3月58億9100万円
2019年3月84億500万円
2020年3月140億8600万円
2021年3月-8億1900万円
2022年3月20億6500万円
直近10年間の純利益

④収益成長性

収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間の1株当たり純利益(EPS)が最初の3年間より最低33%以上伸びていること」

IR情報を確認すると、EPSの最初の3年平均が321.1円、直近の3年平均が59.1円なので、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = -81.6%となり、基準未達です。

年度EPS
2013年3月185.91円
2014年3月375.86円 3年平均:321.1円
2015年3月401.4円
2016年3月76.1円
2017年3月54.02円
2018年3月67.85円
2019年3月97.16円
2020年3月162.79円
2021年3月-9.46円3年平均:59.1円
2022年3月23.85円
直近10年間の1株当たり純利益(EPS)

⑤配当

配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」

入手できる範囲でIR情報を確認すると、2013年が無配ですね。残念ながら基準未達です。

年度配当金配当利回り
2013年3月0円/株0%
2014年3月30円/株1.36%
2015年3月50円/株2.01%
2016年3月50円/株3.14%
2017年3月50円/株3.12%
2018年3月50円/株3.54%
2019年3月50円/株3.82%
2020年3月50円/株4.93%
2021年3月20円/株1.74%
2022年3月30円/株3.55%
直近20年間の配当金と配当利回り

なお、株主優待はありません。

⑥株価収益率

株価収益率の基準は、「PER(株価収益率)」が15倍以下であること。

Yahooファイナンスによると、現在のPERは20.65倍であり、基準未達です。

⑦株価純資産倍率

株価純資産倍率の基準は、「①PBR(株価純資産倍率)が1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPBRは0.61倍であり、①のPBRは基準達成です。

②のPER × PBR も12.60で基準達成です。

まとめ

今回の結果をまとめると以下の通りとなります。

項目評価結果備考
①事業規模売上高3520億円
②財務状況×流動&固定負債多い
③収益安定性2021年赤字
④収益成長性×-81.6%
⑤配当2013年無配
⑥株価収益率×20.65倍
⑦株価純資産倍率0.61倍
結果まとめ

財務状況と収益安定性/成長性、配当、株価収益率の5項目で基準未達となり、「沖電気工業(株)は割安株に該当しない」という結果となりました。ちょっと未達が多すぎますね。これでは仕方ありません。

OKIは、2022年度を最終年度とする「中期経営計画2022」を策定しています。本計画では、新型コロナウイルス感染症拡大がもたらした変化の加速を踏まえ、構造改革を実行するとともに、AIエッジ技術とモノづくりを強みに、「社会課題解決を通じた持続的成長」を実現するための土台作りを目指すとのこと。

強みである特長あるモノづくりとAIエッジ技術を融合、社会課題ソリューションの提案型企業への転換を図り、より多くのお客様の課題解決を通じて成長することを目指すそうで、大手競合他社がクラウドへ注力する中、現場データの見える化およびクラウドと連携したリアルタイム処理に注力し差別化を図るそう。確かに自社の強みを生かした差別化は重要ですね。今後の成長に期待したいところです。

というわけで現時点では、

「バリュー投資」の7つの基準をすべてクリアしているのは、

 ・コムシスホールディングス【1721】

 積水ハウス【1928】

 ・宝ホールディングス【2531】

 ・SUMCO【3436】

 ・東ソー【4042】

 ・日本ガイシ【5333】

 アマダ【6113】

の7社となりました。

これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。

以上、皆さんの参考になれば幸いです。

👇👇👇ブログランキングに参加中 👇👇👇
👇押していただけると励みになります 👇

PVアクセスランキング にほんブログ村
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

某メーカー勤務のエンジニア。化学工学修士。FP3級×簿記2級。妻と子供2人。お酒が大好きな関西人。週末はヨガ、筋トレ、サウナに励み、最近は料理も趣味。現在FP2級を勉強中。

2019年9月から投資をスタート。米国株式ETF(VOO、VTI、セクター、グロース、高配当)が主な投資先。投資資産1500万円突破。いつか億り人&サイドFIREを夢見て試行錯誤の毎日です。

コメント

コメントする

目次