キーエンスは割安株なのか?バフェット流「バリュー投資の7つの基準」で日経225銘柄を評価!

なみ

こんにちは、なみです。

今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである(株)キーエンス【6861】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。

この記事でわかること
・バリュー投資の7つの基準に沿った(株)キーエンス【6861】 の評価
 事業規模は?
 資産と負債のバランスは?
 収益の安定性と成長性は?
 配当はしっかり出てるのか?
 株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・(株)キーエンス【6861】は割安株なのか?

あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株は何か?を探し当てるためのご参考にしてください。

ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。

目次

(株)キーエンス【6861】 の基本情報

・設立年月日 1974年5月27日
・上場年月日 1987年10月29日
・業種    電気機器
・特色    FAセンサなど検出・計測制御機器大手。生産は国内工場軸に外注。持分にジャストシステム。
・資本金   306億円
・従業員数  (単独)2,599人 (連結)8,961人
・株価    51,220円(2022.10.26)
・単元    100株
・決算    3月20日

キーエンスは、ファクトリー・オートメーション(FA)の総合メーカーで、1974年の会社設立以来、付加価値の創造こそが企業の存在意義であり、付加価値の創造によって社会に貢献するという考えのもと、今まで世の中になかった商品の提供を通じて、お客様の課題を解決すること、新しい価値を生み出し続けることにこだわり続けています。

自動車や半導体、電子・電気機器、通信、機械、科学、薬品、食品など業界に捉われることなく事業を展開し、現在の取引先は全世界で30万社以上。「ものづくり」に携わるすべての企業に向け、生産性や品質の向上につながるソリューションをご提案しています。

経営理念は「最小の資本と人で、最大の付加価値を上げる」、付加価値の創造こそが企業の存在意義であり、また、そのことによって社会へ貢献するという考えのもと、全社一丸となって事業活動に取り組まれています。

「付加価値の高い商品を創造し続けること」と「海外での販売比率を高めること」を優先度の高い経営課題と位置づけ、ビジネスモデルであるダイレクトセールス体制を世界で展開し、さらなるニーズの発掘と売り上げ拡大を目指されています。

ではここからは、(株)キーエンスに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。

①事業規模

事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」

日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。

電気機器247社の中での各項目のランキングは以下の通りです。

時価総額1兆2055億円(1位)
売上高7551億7400万円(24位)
営業利益4180億4500万円(4位)
経常利益4312億4000万円(5位)
純利益3033億6000万円(5位)
営業利益率55.4%(1位)
純利益率40.2%(2位)
総資産2兆3404億円(14位)
負債1013億5500万円(54位)
業績に関する各種項目

電気機器の中で売上高は24位、総資産は14位。利益率は驚異の高さで、純利益率は40.2%で2位。世界のグローバル企業の中でも有数の優良企業として高く評価されている一社であり、事業規模は十分です。

②財務状況

次は財務状況。評価基準は、①「年内に現金になる資産(流動資産)が、年内に支払うべき負債(流動負債)の2倍以上であること」。 また、②「来年以降に支払うべき負債(長期負債=固定負債)が、流動資産からすべての負債を差し引いた純流動資産を超えていないこと」

2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:1兆3451億8400万円
流動負債:969億500万円
固定負債:44億5000万円 なので、

①は、流動資産 / 流動負債 = 13.88倍で基準達成

②も、固定負債44億5000万円 < 純流動資産1兆2438億2900万円 で基準達成となり、

よって、流動資産に対して流動/固定負債いずれの割合も極めて低く、キラッキラの財務状況ですね。基準達成です。

③収益安定性

収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」

過去10年の業績を確認すると、毎年しっかり利益を上げられており、全く問題ありません。基準達成です。

年度純利益
2013年3月520億4300万円
2014年3月 859億400万円
2015年3月1210億6300万円
2016年3月1371億6600万円
2017年3月1531億5500万円
2018年3月2105億9500万円
2019年3月2261億4700万円
2020年3月1981億2400万円
2021年3月1972億8900万円
2022年3月3033億6000万円
直近10年間の純利益

④収益成長性

収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間の1株当たり純利益(EPS)が最初の3年間より最低33%以上伸びていること」

IR情報を確認すると、EPSの最初の3年平均が355.7円、直近の3年平均が960.4円なので、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = 170%となり、基準達成です。

年度EPS
2013年3月213.99円
2014年3月354.14円 3年平均:355.7円
2015年3月499.1円
2016年3月435.55円
2017年3月497.55円
2018年3月868.33円
2019年3月932.45円
2020年3月816.91円
2021年3月813.47円3年平均:960.4円
2022年3月1250.83円
直近10年間の1株当たり純利益(EPS)

⑤配当

配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」

入手できる範囲でIR情報を確認すると、2011年が無配ですね。残念ながら基準未達です。

年度配当金配当利回り
2010年3月13.64円/株0.28%
2011年3月13.64円/株0.29%
2012年3月15円/株0.31%
2013年3月15円/株0.24%
2014年3月15円/株0.16%
2015年3月50円/株0.29%
2016年3月50円/株0.33%
2017年3月50円/株0.24%
2018年3月50円/株0.16%
2019年3月100円/株0.29%
2020年3月150円/株0.48%
2021年3月200円/株0.38%
2022年3月200円/株0.36%
直近20年間の配当金と配当利回り

なお、株主優待はありません。

⑥株価収益率

株価収益率の基準は、「PER(株価収益率)」が15倍以下であること。

Yahooファイナンスによると、現在のPERは40.21倍であり、基準未達です。

⑦株価純資産倍率

株価純資産倍率の基準は、「①PBR(株価純資産倍率)が1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPBRは5.55倍であり、①のPBRは基準未達です。

②のPER × PBR も223.17で基準未達です。これは株価が高すぎますね。

まとめ

今回の結果をまとめると以下の通りとなります。

項目評価結果備考
①事業規模売上高7551億円
②財務状況問題なし
③収益安定性赤字なし
④収益成長性+170%
⑤配当利回り0.36%
⑥株価収益率×40.21倍
⑦株価純資産倍率×5.55倍
結果まとめ

株価収益率、株価純資産倍率の2項目で基準未達となり、「(株)キーエンスは割安株に該当しない」という結果となりました。財務状況はすばらしくきれいで成長もしっかり、さすが世界の優良企業です。ただその分株価は上がりきってますからね。仕方なしです。

キーエンスが得意とするファクトリーオートメーションの市場は、中長期的にはさまざまな技術革新に加え、自動化、品質の向上、研究開発投資などの需要拡大が期待されます。これらの変化や需要を的確に捉え、持続的な成長を続けるためには、人材の育成に加え「企画開発力の強化」「海外事業の拡大」が不可欠だと認識されており、今後M&Aも含めて新たな付加価値の創出とグローバル連携体制の構築に取り組まれるとのこと。まだまだ成長が期待できそうですね。

というわけで現時点では、

「バリュー投資」の7つの基準をすべてクリアしているのは、

 ・コムシスホールディングス【1721】

 積水ハウス【1928】

 ・宝ホールディングス【2531】

 ・SUMCO【3436】

 ・東ソー【4042】

 ・日本ガイシ【5333】

 アマダ【6113】

の7社となりました。

これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。

以上、皆さんの参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

某メーカー勤務のエンジニア。化学工学修士。FP3級×簿記2級。妻と子供2人。お酒が大好きな関西人。週末はヨガ、筋トレ、サウナに励み、最近は料理も趣味。現在FP2級を勉強中。

2019年9月から投資をスタート。米国株式ETF(VOO、VTI、セクター、グロース、高配当)が主な投資先。投資資産1500万円突破。いつか億り人&サイドFIREを夢見て試行錯誤の毎日です。

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