こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである日東電工(株)【6988】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。
・バリュー投資の7つの基準に沿った日東電工の評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・日東電工は割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。
日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?
を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。
日東電工(株)【6988】 の基本情報
・設立年月日 1918年10月25日
・上場年月日 1962年8月
・業種 化学
・特色 テープ類から総合材料メーカーに。液晶用光学フィルムで成長。ニッチ商品でシェア首位多数。
・資本金 267億円
・従業員数 (単独)6,579人 (連結)25,454人
・株価 10,700円(2024.1.8)
・単元 100株
・決算 3月末日
高分子合成技術をベースに基幹技術である粘着技術や塗工技術など様々な技術を複合化、シートやフィルムに様々な機能を付加し、世界28の国と地域でエレクトロニクスから自動車、環境及び医療関連など、幅広いエリアと事業領域で事業を展開しています。
ある特定の素材を扱うのではなく、社会で利用される製品の中間材料を、電子素材、自動車製品、工業製品など幅広く手がける「グローバルニッチ」を標榜し、トップシェアを目標におく方針を掲げています。液晶テレビ等に使用される液晶用偏光板、液晶用位相差板、また、熱はく離シートや、ぜんそく治療薬などでは、世界最大のシェアを有し、水の浄化・海水淡水化に使用される逆浸透膜なども世界的に大きな市場シェアを占めています。
2017年にはM&Aでソニーから電池事業を買収するなど、ここ数年は周辺の部品にも領域を拡大しています。
新しい発想でお客様の価値創造に貢献します。
Visionには「Creating Wonders」を定め、一人一人が驚きと感動を生み出すことに果敢に挑戦し、様々な分野で世界を変える原動力を生み出し続けていくことを目指されています。
ではここからは、日東電工(株)に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
化学100社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 1兆5253億円(8位) |
売上高 | 9290億3600万円(16位) |
純利益 | 1091億7300万円(2位) |
純利益率 | 11.8%(13位) |
総資産 | 1兆2052億円(15位) |
化学の中で売上高は16位、総資産は15位。利益率はかなり高く、純利益率は11.8%で13位。数々の世界トップシェアをもつ化学メーカーの一社です。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」。
2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:6771億8900万円
流動負債:1882億4800万円
固定負債:622億400万円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 3.60倍で基準達成、
②は、固定負債622億円 < 純流動資産4889億円 で基準達成となり、
流動資産に対して流動/固定いずれの負債の割合も極めて低く、問題ありません。基準達成です。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績を確認すると、毎年しっかり利益を上げられており、問題ありません。基準達成です。
年度 | 純利益 |
2014年3月 | 528億9200万円 |
2015年3月 | 778億7600万円 |
2016年3月 | 816億8300万円 |
2017年3月 | 634億5300万円 |
2018年3月 | 873億7700万円 |
2019年3月 | 665億6000万円 |
2020年3月 | 471億5600万円 |
2021年3月 | 702億3500万円 |
2022年3月 | 971億3200万円 |
2023年3月 | 1091億7300万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = +45.7%となり、基準達成です。
年度 | EPS | |
2014年3月 | 314.59円 | |
2015年3月 | 471.75円 | 3年平均:427.2円 |
2016年3月 | 495.23円 | |
2017年3月 | 390.93円 | |
2018年3月 | 538.99円 | |
2019年3月 | 423.5円 | |
2020年3月 | 301.31円 | |
2021年3月 | 472.71円 | |
2022年3月 | 656.31円 | 3年平均:622.6円 |
2023年3月 | 738.77円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり配当が出ています。基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年3月 | 40円/株 | 1.1% |
2011年3月 | 90円/株 | 2.04% |
2012年3月 | 100円/株 | 3% |
2013年3月 | 100円/株 | 1.8% |
2014年3月 | 100円/株 | 2.02% |
2015年3月 | 120円/株 | 1.49% |
2016年3月 | 140円/株 | 2.24% |
2017年3月 | 150円/株 | 1.74% |
2018年3月 | 160円/株 | 2.01% |
2019年3月 | 180円/株 | 3.1% |
2020年3月 | 200円/株 | 4.15% |
2021年3月 | 200円/株 | 2.11% |
2022年3月 | 220円/株 | 2.49% |
2023年3月 | 240円/株 | 2.81% |
なお、株主優待はありません。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは15.32倍であり、四捨五入でぎりぎり基準達成です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは1.62倍であり、①のPBRは基準未達です。
②のPER × PBR も24.82で基準未達です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 評価結果 | 備考 |
①事業規模 | 〇 | 売上高9290億円 |
②財務状況 | ◎ | 文句なし |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | 〇 | +45.7% |
⑤配当 | 〇 | 利回り2.81% |
⑥株価収益率 | 〇 | 15.32倍 |
⑦株価純資産倍率 | × | 1.62倍 PER×PBRもNG |
株価純資産倍率のみが基準未達となり、
日東電工(株)は割安株に該当しません!
という結果となりました。
財務状況が非常にきれいで、収益の安定性、成長性も十分なのですが、株価がちょっと高いですね。仕方なしです。
2030年ありたい姿を、ニッチトップクリエーターとして驚きと感動を与え続ける「なくてはならないESGトップ企業」と設定し、「Nittoらしさ」である、「チャレンジを楽しむ」社風・文化を土壌に、「環境・人類に貢献するニッチトップ」を創出し、お客様に最高の「驚きと感動」を提供することで、豊かな未来に貢献する。
中期経営計画「Nitto for Everyone 2025」では、脱炭素社会・循環経済社会への移行、デジタル技術の高度化などの社会変化に対応するため、「デジタルインターフェース」、「パワー&モビリティ」「ヒューマンライフ」の3つの重点分野とそれらが交わる領域で、グループの強みである技術や顧客基盤などを活かし、なくてはならない存在を目指すとのこと。今後さらなる成長が期待できそうですね。
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。
以上、皆さんの参考になれば幸いです。
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