
こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである(株)SCREENホールディングス【7735】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。


この記事でわかること
・バリュー投資の7つの基準に沿った(株)SCREENホールディングス【7735】 の評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・(株)SCREENホールディングス【7735】は割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株は何か?を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。


(株)SCREENホールディングス【7735】 の基本情報
・設立年月日 1943年10月11日
・上場年月日 1962年5月
・業種 電気機器
・特色 半導体製造装置の大手、うちウエハ洗浄装置では世界断トツ。液晶製造装置や印刷機器も展開。
・資本金 540億円
・従業員数 (単独)414人 (連結)5,893人
・株価 9,320円(2022.12.14)
・単元 100株
・決算 3月末日


SCREENホールディングスは、半導体・液晶製造装置・印刷関連機器などの産業用機器を製造する企業グループの持株会社です。
1934年のガラススクリーンの国産化に成功して以来、フォトリソグラフィー技術を起点に、印刷からプリント基板製造、半導体・ディスプレー製造などの分野に応用展開し、最先端のニーズに応える製品と技術を提供されています。
半導体製造装置、液晶製造装置事業が業績の75%を占め、海外比率は2007年3月期で62%。半導体を形成する金属製薄板(シリコンウエハ)の洗浄装置や、液晶テレビ、パソコンの液晶ディスプレイ製造用の大型ガラス基板対応装置、また印刷版出力装置では世界トップシェアを持っています。
創業の精神は「思考展開」。社会の課題に自社の技術がどのように役立つかを考え、新しい事業や製品の創造と発展に挑み続け、「未来共有」「人間形成」「技術追究」という企業理念に基づいて、社会の新たな課題と継続的な企業価値向上に取り組まれています。
ではここからは、(株)SCREENホールディングスに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
電気機器100社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 4356億9900万円(38位) |
売上高 | 4118億6500万円(33位) |
営業利益 | 612億7300万円(28位) |
経常利益 | 594億3800万円(30位) |
純利益 | 454億8100万円(27位) |
営業利益率 | 14.9%(19位) |
純利益率 | 11.0%(21位) |
総資産 | 4774億2700万円(34位) |
負債 | 2028億3700万円(34位) |
電気機器の中で売上高は33位、総資産は34位。利益率は高めで、純利益率は11.0%の21位、半導体製造装置大手で、ウエハ洗浄装置では世界トップシェアであり、事業規模は十分です。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「年内に現金になる資産(流動資産)が、年内に支払うべき負債(流動負債)の2倍以上であること」。 また、②「来年以降に支払うべき負債(長期負債=固定負債)が、流動資産からすべての負債を差し引いた純流動資産を超えていないこと」。
2022年3月期の決算短信によると、
流動資産:3383億6700万円
流動負債:1756億2000万円
固定負債:358億9600万円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 1.93倍で基準未達、
②は、固定負債358億9600万円 < 純流動資産1627億4700万円 で基準達成となり、
よって、流動資産に対して流動負債の割合もわずかに低く、惜しくも基準未達です。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績を確認すると、2013年に赤字がありますね。パソコンやテレビの販売不振で取引先が設備投資を抑制し、半導体や液晶パネルの製造装置が落ち込んだとのこと。基準未達です。
年度 | 純利益 |
2013年3月 | -113億3300万円 |
2014年3月 | 54億1800万円 |
2015年3月 | 121億2200万円 |
2016年3月 | 188億1500万円 |
2017年3月 | 241億6800万円 |
2018年3月 | 285億700万円 |
2019年3月 | 180億5900万円 |
2020年3月 | 50億1000万円 |
2021年3月 | 151億6400万円 |
2022年3月 | 454億8100万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間の1株当たり純利益(EPS)が最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
IR情報を確認すると、EPSの最初の3年平均が48.8円、直近の3年平均が469.7円なので、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = 862.6%となり、基準達成です。
年度 | EPS | |
2013年3月 | -223.11円 | |
2014年3月 | 114.13円 | 3年平均:48.8円 |
2015年3月 | 255.37円 | |
2016年3月 | 396.74円 | |
2017年3月 | 511.95円 | |
2018年3月 | 608.61円 | |
2019年3月 | 387.09円 | |
2020年3月 | 107.36円 | |
2021年3月 | 325.19円 | 3年平均:469.7円 |
2022年3月 | 976.54円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、2013年が無配ですね。残念ながら基準未達です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2011年3月 | 25円/株 | 0.57% |
2012年3月 | 25円/株 | 0.67% |
2013年3月 | 0円/株 | 0% |
2014年3月 | 15円/株 | 0.63% |
2015年3月 | 35円/株 | 0.77% |
2016年3月 | 60円/株 | 1.35% |
2017年3月 | 87円/株 | 1.06% |
2018年3月 | 110円/株 | 1.13% |
2019年3月 | 97円/株 | 2.17% |
2020年3月 | 30円/株 | 0.75% |
2021年3月 | 90円/株 | 0.92% |
2022年3月 | 293円/株 | 2.37% |
なお、株主優待はありません。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PER(株価収益率)」が15倍以下であること。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは8.78倍であり、基準達成です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBR(株価純資産倍率)が1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは1.61倍であり、①のPBRは基準未達です。
②のPER × PBRは14.14で基準達成です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 評価結果 | 備考 |
①事業規模 | 〇 | 売上高4118億円 |
②財務状況 | △ | 流動負債多い |
③収益安定性 | △ | 2013年赤字 |
④収益成長性 | ◎ | +862.6% |
⑤配当 | △ | 2013年無配 |
⑥株価収益率 | ◎ | 8.78倍 |
⑦株価純資産倍率 | × | 1.61倍 |
財務状況と収益安定性、配当、株価純資産倍率の4項目で基準未達となり、「(株)SCREENホールディングスは割安株に該当しない」という結果となりました。負債が多く、赤字と無配あり、PBRが高いということであれば仕方なしですね。特に2013年の赤字が大きなマイナス要因ですね。
SCREENホールディングスでは、中期経営計画「Value Up 2023」において、「ソリューションクリエーターとしての業界でのプレゼンス確立」をコンセプトとして、イノベーションの創出と持続的成長サイクルによる企業価値向上に取り組まれており、特に主力の半導体製造装置事業では、過去最大の受注水準が続き、増産体制に入っており、半導体製造装置の生産体制強化として、彦根事業所内に新工場を建設中とのことです。
ライフサイエンス、検査・計測、エネルギー、AI関連についても新規事業創出のチャレンジを継続されており、社会的な課題・ニーズを解決する技術、製品、サービスなどの提供によって企業価値を高める取り組みを進められています。今後に期待ですね。
というわけで現時点では、
「バリュー投資」の7つの基準をすべてクリアしているのは、
・コムシスホールディングス【1721】
・積水ハウス【1928】
・宝ホールディングス【2531】
・SUMCO【3436】
・東ソー【4042】
・日本ガイシ【5333】
・アマダ【6113】
・太陽誘電【6976】
・日東電工【6988】
・ヤマハ発動機【7272】
の10社となりました。
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。


以上、皆さんの参考になれば幸いです。




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