こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである(株)バンダイナムコホールディングス【7832】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。
・バリュー投資の7つの基準に沿ったバンダイナムコホールディングスの評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・バンダイナムコホールディングスは割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。
日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?
を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。
(株)バンダイナムコホールディングス【7832】 の基本情報
・設立年月日 2005年9月29日
・上場年月日 2005年9月29日
・業種 その他製品
・特色 バンダイとナムコが経営統合。玩具首位級。ゲーム、娯楽施設、映像ソフト等総合エンタメ企業。
・資本金 100億円
・従業員数 (単独)3,024人 (連結)11,057人
・株価 2,808.5円(2024.3.17)
・単元 100株
・決算 3月末日
バンダイナムコグループを統括している日本の持株会社で、グループ全体で、主に玩具・模型を中心としたトイホビー事業、家庭用ゲーム・スマートフォンアプリゲーム・アーケードゲームを中心としたゲーム事業、映像ソフト・音楽ソフト・イベント興行・アニメ制作を中心とした映像・音楽事業を中核事業にしています。
現在では、子供向け商材のみならずアイドルマスターシリーズやラブライブ!シリーズ、アイドリッシュセブンなどのアニメファンやマニア層向けの有力なコンテンツを豊富に持っており、それらのコンテンツを核としたゲーム・アニメ・イベントなどの展開にも力を入れています。
ゲーム・玩具業界の事業環境の激変により、セガと合併する計画がとん挫したバンダイとナムコが統合したときは私もびっくりしました。
Fun for All into the Future
もっと広く。もっと深く。「夢・遊び・感動」を。
うれしい。たのしい。泣ける。勇気をもらう。
誰かに伝えたくなる。誰かに会いたくなる。
エンタテインメントが生み出す心の豊かさで、人と人、人と社会、人と世界がつながる。
そんな未来を、バンダイナムコは世界中のすべての人とともに創ります。
世界中の人々が「夢・遊び・感動」でつながり、驚きのアイデアが飛び交うブランドとなり、世界中のファンとつながりながらエンターテインメントを創り上げていくことを目指されています。
ではここからは、(株)バンダイナムコホールディングスに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
その他製品107社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 1兆8541億円(2位) |
売上高 | 9900億8900万円(4位) |
純利益 | 903億4500万円(2位) |
純利益率 | 9.1%(16位) |
総資産 | 9594億2300万円(4位) |
その他製品の中で売上高、総資産とも4位。利益率もなかなかの高さで、純利益率は9.1%の16位、玩具では国内首位クラスの一社です。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」。
2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:5926億3700万円
流動負債:2473億2300万円
固定負債:269億100万円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 2.40倍で基準達成、
②は、固定負債269億円 < 純流動資産3453億円 で基準達成となり、
流動資産に対して流動/固定いずれの負債の割合も低く、財務状況はきれいですね。基準達成です。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績を確認すると、2010年に一度赤字がありますが、その後はしっかり利益を出されており、問題ありません。基準達成です。
年度 | 純利益 |
2014年3月 | 250億5400万円 |
2015年3月 | 375億8800万円 |
2016年3月 | 345億8300万円 |
2017年3月 | 441億5900万円 |
2018年3月 | 541億900万円 |
2019年3月 | 633億8300万円 |
2020年3月 | 576億6500万円 |
2021年3月 | 488億9400万円 |
2022年3月 | 927億5200万円 |
2023年3月 | 903億4500万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = +138.5%となり、基準達成です。
年度 | EPS | |
2014年3月 | 38.01円 | |
2015年3月 | 57.03円 | 3年平均:49.2円 |
2016年3月 | 52.47円 | |
2017年3月 | 67.01円 | |
2018年3月 | 82.1円 | |
2019年3月 | 96.13円 | |
2020年3月 | 87.46円 | |
2021年3月 | 74.19円 | |
2022年3月 | 140.7円 | 3年平均:117.3円 |
2023年3月 | 136.88円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり出てますね。基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年3月 | 24円/株 | 2.63% |
2011年3月 | 8円/株 | 2.65% |
2012年3月 | 8.67円/株 | 2.18% |
2013年3月 | 15円/株 | 2.7% |
2014年3月 | 11.67円/株 | 1.43% |
2015年3月 | 20.67円/株 | 2.65% |
2016年3月 | 17.33円/株 | 2.12% |
2017年3月 | 27.33円/株 | 2.46% |
2018年3月 | 41円/株 | 3.52% |
2019年3月 | 48.33円/株 | 2.79% |
2020年3月 | 44円/株 | 2.52% |
2021年3月 | 37.33円/株 | 1.42% |
2022年3月 | 70.67円/株 | 2.28% |
2023年3月 | 68.67円/株 | 2.41% |
なお、株主優待は3月末の権利確定で100株以上保有の株主に対して優待ポイントがもらえます。
このポイントは、全国の加盟店で使える「こども商品券」、全国のイタリアントマト系列店で使える「イタリアントマトオリジナルギフト」、NAMJATOWNなどバンダイナムコ系列のアミューズメントで使える「アミューズメントチケット」、公式通販サイトでの買い物で使える「プレミアムポイント」、電子マネー「バナコイン」、書下ろし複製イラスト「アートコレクション」、日本国内の子供たちへの支援(寄付)、から選択し、使用することができます。
100株保有なら約0.2%の利回りの優待利回りがあることになりますね。
そしてこのアートコレクション、ちょっとそそられます。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは19.47倍であり、基準未達です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは2.65倍であり、①のPBRは基準未達です。
②のPER × PBRも50.14で基準未達です。これはちょっと株価が高すぎますね。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 評価結果 | 備考 |
①事業規模 | 〇 | 売上高9900億円 |
②財務状況 | 〇 | 問題なし |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | ◎ | +138.5% |
⑤配当 | 〇 | 利回り2.41%+優待あり |
⑥株価収益率 | △ | 18.92倍 |
⑦株価純資産倍率 | × | 2.65倍 |
株価収益率と株価純資産倍率の2項目が基準未達となり、
(株)バンダイナムコホールディングスは割安株に該当しません!
という結果となりました。
財務状況は健全で収益も安定、成長性もしっかりだったので非常に優秀なのですが、その分もう既に株価が上がってしまってますね。これは仕方ありません。
グループ最大の強みであるIP軸戦略を核とし、世界中のファンとより広く、深く、複雑につながるための新たな取組み、IP軸戦略の進化、世界の各地域でALL BANDAI NAMCOで一体となり事業構築に取り組むことで持続的な成長を目指す。
IP×Fan、IP×Value、IP×Worldといったコンセプトで、IPを世界中のIPファン、あらゆるパートナー、グループ社員、そして社会につなげ、既存ファンと新規ファン、ファンから生まれたコミュニティ同士が「複雑に」つながり合うというファンとのつながりを目指すとのこと。まだまだ成長が期待できそうですね。
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。
以上、皆さんの参考になれば幸いです。
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