バンダイナムコホールディングスは割安株なのか?バフェット流「バリュー投資の7つの基準」で日経225銘柄を評価!

なみ

こんにちは、なみです。

今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである(株)バンダイナムコホールディングス【7832】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。

この記事でわかること
・バリュー投資の7つの基準に沿った(株)バンダイナムコホールディングス【7832】 の評価
 事業規模は?
 資産と負債のバランスは?
 収益の安定性と成長性は?
 配当はしっかり出てるのか?
 株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・(株)バンダイナムコホールディングス【7832】は割安株なのか?

あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株は何か?を探し当てるためのご参考にしてください。

ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。

目次

(株)バンダイナムコホールディングス【7832】 の基本情報

・設立年月日 2005年9月29日
・上場年月日 2005年9月29日
・業種    その他製品
・特色    バンダイとナムコが経営統合。玩具首位級。ゲーム、娯楽施設、映像ソフト等総合エンタメ企業。
・資本金   100億円
・従業員数  (単独)2,846人 (連結)10,210人
・株価    8,407円(2022.12.22)
・単元    100株
・決算    3月末日

バンダイナムコホールディングスは、バンダイナムコグループを統括している日本の持株会社です。

ゲーム・玩具業界の事業環境の激変により、セガと合併する計画がとん挫したバンダイとナムコが「エンターテイメントを通じ夢や感動を提供する」という企業使命が共通していた両社が経営統合しました。

グループ全体で、主に玩具・模型を中心としたトイホビー事業、家庭用ゲーム・スマートフォンアプリゲーム・アーケードゲームを中心としたゲーム事業、映像ソフト・音楽ソフト・イベント興行・アニメ制作を中心とした映像・音楽事業を中核事業にしています。

現在では、子供向け商材のみならずアイドルマスターシリーズやラブライブ!シリーズ、アイドリッシュセブンなどのアニメファンやマニア層向けの有力なコンテンツを豊富に持っており、それらのコンテンツを核としたゲーム・アニメ・イベントなどの展開にも力を入れています。

企業パーパスは「Fun for All into the Future」。

もっと広く。もっと深く。「夢・遊び・感動」を。
うれしい。たのしい。泣ける。勇気をもらう。
誰かに伝えたくなる。誰かに会いたくなる。
エンタテインメントが生み出す心の豊かさで、人と人、人と社会、人と世界がつながる。
そんな未来を、バンダイナムコは世界中のすべての人とともに創ります。

世界中の人々が「夢・遊び・感動」でつながり、驚きのアイデアが飛び交うブランドとなり、世界中のファンとつながりながらエンターテインメントを創り上げていくことを目指されています。

ではここからは、(株)バンダイナムコホールディングスに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。

①事業規模

事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」

日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。

その他製品100社の中での各項目のランキングは以下の通りです。

時価総額1兆9596億円(2位)
売上高8892億7000万円(4位)
営業利益1254億9600万円(2位)
経常利益1336億800万円(2位)
純利益927億5200万円(4位)
営業利益率14.1%(14位)
純利益率10.4%(14位)
総資産9101億3800万円(4位)
負債2774億1600万円(4位)
業績に関する各種項目

その他製品の中で売上高、総資産とも4位。利益率もなかなかの高さで、純利益率は10.4%の14位、玩具では国内首位クラスの一社であり、事業規模は十分です。

②財務状況

次は財務状況。評価基準は、①「年内に現金になる資産(流動資産)が、年内に支払うべき負債(流動負債)の2倍以上であること」。 また、②「来年以降に支払うべき負債(長期負債=固定負債)が、流動資産からすべての負債を差し引いた純流動資産を超えていないこと」

2022年3月期の決算短信によると、
流動資産:5772億600万円
流動負債:2433億6200万円
固定負債:350億5300万円 なので、

①は、流動資産 / 流動負債 = 2.37倍で基準達成

②は、固定負債350億5300万円 < 純流動資産3338億4400万円 で基準達成となり、

よって、流動資産に対して流動/固定いずれの負債の割合も低く、問題ありません。基準達成です。

③収益安定性

収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」

過去10年の業績を確認すると、2010年に一度赤字がありますが、その後はしっかり利益を出されており、問題ありません。基準達成です。

年度純利益
2013年3月323億8300万円
2014年3月 250億5400万円
2015年3月375億8800万円
2016年3月345億8300万円
2017年3月441億5900万円
2018年3月541億900万円
2019年3月633億8300万円
2020年3月576億6500万円
2021年3月488億9400万円
2022年3月927億5200万円
直近10年間の純利益

④収益成長性

収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間の1株当たり純利益(EPS)が最初の3年間より最低33%以上伸びていること」

IR情報を確認すると、EPSの最初の3年平均が143.7円、直近の3年平均が302.4円なので、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = 110.4%となり、基準達成です。

年度EPS
2013年3月145.87円
2014年3月114.04円 3年平均:143.7円
2015年3月171.1円
2016年3月157.42円
2017年3月201.02円
2018年3月246.29円
2019年3月288.39円
2020年3月262.39円
2021年3月222.58円3年平均:302.4円
2022年3月422.09円
直近10年間の1株当たり純利益(EPS)

⑤配当

配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」

入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり出てますね。基準達成です。

年度配当金配当利回り
2010年3月24円/株2.63%
2011年3月24円/株2.65%
2012年3月26円/株2.18%
2013年3月45円/株2.7%
2014年3月35円/株1.43%
2015年3月62円/株2.65%
2016年3月52円/株2.12%
2017年3月82円/株2.46%
2018年3月123円/株3.52%
2019年3月145円/株2.79%
2020年3月132円/株2.52%
2021年3月112円/株1.42%
2022年3月212円/株2.28%
直近20年間の配当金と配当利回り

なお、株主優待は3月末の権利確定で100株以上保有の株主に対して優待ポイント(100~499株:2,000ポイント、500~999株:4,000ポイント、1,000~4,999株:6,000ポイント、5,000~9,999株:10,000ポイント、10,000株~:20,000ポイント)がもらえます。

このポイントは、全国の加盟店で使える「こども商品券」、全国のイタリアントマト系列店で使える「イタリアントマトオリジナルギフト」、NAMJATOWNなどバンダイナムコ系列のアミューズメントで使える「アミューズメントチケット」、公式通販サイトでの買い物で使える「プレミアムポイント」、電子マネー「バナコイン」、書下ろし複製イラスト「アートコレクション」、日本国内の子供たちへの支援(寄付)、から選択し、使用することができます。

アートコレクションの例

100株保有なら約0.2%の利回りの優待利回りがあることになりますね。
そしてこのアートコレクション、ちょっとそそられます。

⑥株価収益率

株価収益率の基準は、「PER(株価収益率)」が15倍以下であること。

Yahooファイナンスによると、現在のPERは19.47倍であり、基準未達です。

⑦株価純資産倍率

株価純資産倍率の基準は、「①PBR(株価純資産倍率)が1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPBRは2.92倍であり、①のPBRは基準未達です。

②のPER × PBRも56.85で基準未達です。これはちょっと株価が高すぎますね。

まとめ

今回の結果をまとめると以下の通りとなります。

項目評価結果備考
①事業規模売上高8892億円
②財務状況問題なし
③収益安定性赤字なし
④収益成長性+110.4%
⑤配当利回り2.28%+優待あり
⑥株価収益率19.47倍
⑦株価純資産倍率×2.92倍
結果まとめ

株価収益率/純資産倍率の2項目で基準未達となり、「(株)バンダイナムコホールディングスは割安株に該当しない」という結果となりました。財務状況は健全で収益も安定、成長性もしっかりだったので非常に優秀なのですが、その分もう既に株価が上がってしまってますね。これは仕方ありません。

バンダイナムコホールディングスでは、2022年4月からはグループの最上位概念となる「パーパス」と新ロゴマークの導入を行うとともに、「パーパス」が示す目指す姿に向け中長期で持続的な成長をはかるため、新たな3カ年の中期計画をスタートされています。

グループ最大の強みであるIP(Intellectual Property、キャラクターなどの知的財産)を軸とした戦略を核として、世界中のファンとより深く、広く、複雑につながるための新たな取組み、IP軸戦略の進化、世界の各地域でALL BANDAI NAMCOで一体となり事業構築に取り組むことで持続的な成長を目指すとのこと。今後も成長が期待できそうですね。

というわけで現時点では、

「バリュー投資」の7つの基準をすべてクリアしているのは、

 ・コムシスホールディングス【1721】

 積水ハウス【1928】

 ・宝ホールディングス【2531】

 ・SUMCO【3436】

 ・東ソー【4042】

 ・日本ガイシ【5333】

 アマダ【6113】

 太陽誘電【6976】

 日東電工【6988】

 ヤマハ発動機【7272】

の10社となりました。

これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。

以上、皆さんの参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

某メーカー勤務のエンジニア。化学工学修士。FP3級×簿記2級。妻と子供2人。お酒が大好きな関西人。週末はヨガ、筋トレ、サウナに励み、最近は料理も趣味。現在FP2級を勉強中。

2019年9月から投資をスタート。米国株式ETF(VOO、VTI、セクター、グロース、高配当)が主な投資先。投資資産1500万円突破。いつか億り人&サイドFIREを夢見て試行錯誤の毎日です。

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