任天堂は割安株なのか?バフェット流「バリュー投資の7つの基準」で日経225銘柄を評価!

なみ

こんにちは、なみです。

今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである任天堂(株)【7974】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。

この記事でわかること
・バリュー投資の7つの基準に沿った任天堂(株)【7974】 の評価
 事業規模は?
 資産と負債のバランスは?
 収益の安定性と成長性は?
 配当はしっかり出てるのか?
 株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・任天堂(株)【7974】は割安株なのか?

あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株は何か?を探し当てるためのご参考にしてください。

ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。

目次

任天堂(株)【7974】 の基本情報

・設立年月日 1947年11月20日
・上場年月日 1962年1月
・業種    その他製品
・特色    ゲーム機ハード、ソフトで総合首位。海外シェア高い。ドル建て資産多く期末為替で経常益変動。
・資本金   100億円
・従業員数  (単独)2,765人 (連結)7,136人
・株価    5,608円(2022.12.29)
・単元    100株
・決算    3月末日

任天堂は、主に玩具やコンピュータゲームの開発・製造・販売を行う企業です。

1889年に創業した老舗企業で、創業以来、多くの種類の玩具を製作しており、特に花札やトランプは創業初期から現在に至るまで製造、販売を続けています。

1970年代後期に家庭用と業務用のコンピュータゲーム機の開発を開始し、1983年発売の据え置き型ゲーム機「ファミリーコンピュータ」のゲームソフトとして1985年に発売した『スーパーマリオブラザーズ』が世界的にヒットしたことで、ゲーム機やゲームソフトを開発する会社として広く認知されるようになりました。

『スーパーマリオブラザーズ』の主人公「マリオ」など、任天堂のゲームソフトに登場するキャラクターは世界的に認知されているものが多く、2010年代からはキャラクターIPのゲーム外での活用を進めています。

ホームエンターテインメントの分野で、健全な企業経営を維持しつつ新しい娯楽の創造を目指すことを経営方針とし、事業の展開においては、世界のユーザーへ、かつて経験したことのない楽しさ、面白さを持った娯楽を提供することを最も重視されています。

常に新しい楽しさと面白さを持った商品を提供することを追求し、継続性のある健全な成長と利益の増加による企業価値の向上を目指されています。

ではここからは、任天堂(株)に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。

①事業規模

事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」

日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。

その他製品100社の中での各項目のランキングは以下の通りです。

時価総額6兆5720億円(1位)
売上高1兆6953億円(1位)
営業利益5927億6000万円(1位)
経常利益6708億1300万円(1位)
純利益4776億9100万円(1位)
営業利益率35.0%(1位)
純利益率28.2%(1位)
総資産2兆7812億円(1位)
負債6032億5400万円(3位)
業績に関する各種項目

その他製品の中で売上高、総資産とも1位。利益率も驚異的で、純利益率は28.2%の1位、世界トップのゲーム機メーカーであり、事業規模は文句なしです。

②財務状況

次は財務状況。評価基準は、①「年内に現金になる資産(流動資産)が、年内に支払うべき負債(流動負債)の2倍以上であること」。 また、②「来年以降に支払うべき負債(長期負債=固定負債)が、流動資産からすべての負債を差し引いた純流動資産を超えていないこと」

2022年3月期の決算短信によると、
流動資産:2兆1262億円
流動負債:5407億2600万円
固定負債:523億4700万円 なので、

①は、流動資産 / 流動負債 = 3.93倍で基準達成

②は、固定負債523億4700万円 < 純流動資産1兆5854億7400万円 で基準達成となり、

よって、流動資産に対して流動/固定いずれの負債の割合も低く、問題ありません。素晴らしい財務状況ですね。基準達成です。

③収益安定性

収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」

過去10年の業績を確認すると、2014年に赤字がありますね。当時主力製品であった据え置き型ゲーム機「Wii U」の販売が、最大商戦期のクリスマスシーズンで不振だった影響とのこと。残念ながら基準未達です。

年度純利益
2013年3月70億9900万円
2014年3月 -232億2200万円
2015年3月418億4300万円
2016年3月165億500万円
2017年3月1025億7400万円
2018年3月1395億9000万円
2019年3月1940億900万円
2020年3月2586億4100万円
2021年3月4803億7600万円
2022年3月4776億9100万円
直近10年間の純利益

④収益成長性

収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間の1株当たり純利益(EPS)が最初の3年間より最低33%以上伸びていること」

IR情報を確認すると、EPSの最初の3年平均が7.3円、直近の3年平均が341.7円なので、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = 4559.3%となり、基準達成です。

年度EPS
2013年3月5.01円
2014年3月-18.36円 3年平均:7.3円
2015年3月35.35円
2016年3月13.74円
2017年3月85.39円
2018年3月116.23円
2019年3月161.55円
2020年3月217.12円
2021年3月403.26円3年平均:341.7円
2022年3月404.67円
直近10年間の1株当たり純利益(EPS)

⑤配当

配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」

入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり出てますね。基準達成です。

年度配当金配当利回り
2010年3月93円/株2.97%
2011年3月45円/株2%
2012年3月10円/株0.8%
2013年3月10円/株0.99%
2014年3月10円/株0.82%
2015年3月18円/株1.02%
2016年3月15円/株0.94%
2017年3月43円/株1.66%
2018年3月59円/株1.26%
2019年3月81円/株2.57%
2020年3月109円/株2.62%
2021年3月222円/株3.59%
2022年3月203円/株3.29%
直近20年間の配当金と配当利回り

なお、株主優待はありません。

⑥株価収益率

株価収益率の基準は、「PER(株価収益率)」が15倍以下であること。

Yahooファイナンスによると、現在のPERは16.35倍であり、基準未達です。

⑦株価純資産倍率

株価純資産倍率の基準は、「①PBR(株価純資産倍率)が1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPBRは3.00倍であり、①のPBRは基準未達です。

②のPER × PBRも49.05で基準未達です。ちょっと株価が高いですね。

まとめ

今回の結果をまとめると以下の通りとなります。

項目評価結果備考
①事業規模売上高1兆6953億円
②財務状況問題なし
③収益安定性2014年赤字
④収益成長性+4559.3%
⑤配当利回り3.29%
⑥株価収益率×16.35倍
⑦株価純資産倍率×3.00倍
結果まとめ

収益安定性と株価収益率、株価純資産倍率の3項目で基準未達となり、「任天堂(株)は割安株に該当しない」という結果となりました。財務状況は極めて健全で、収益成長性も高く、配当もしっかりしているものの、赤字があることと、PERとPBRが高いことが残念。これはもう株価が上がりすぎてますね。仕方ありません。

任天堂では、娯楽を通じて人々を笑顔にする会社」として、誰にでも直感的に楽しんでいただける「任天堂独自の遊び」を提供することを目指しています。

ハード・ソフト一体型のゲーム専用機ビジネスを経営の中核に置き、「任天堂IPに触れる人口の拡大」を基本戦略として掲げ、世界中に広く普及するスマートデバイスをはじめ、映像コンテンツやテーマパーク、キャラクターグッズなど、ゲーム専用機以外の分野でも顧客と任天堂IPとの接点を広げることで、より多くの顧客にゲーム体験にも興味を持つきっかけを作るとのこと。日本を代表する一社として、今後の発展に期待したいものです。

というわけで現時点では、

「バリュー投資」の7つの基準をすべてクリアしているのは、

 ・コムシスホールディングス【1721】

 積水ハウス【1928】

 ・宝ホールディングス【2531】

 ・SUMCO【3436】

 ・東ソー【4042】

 ・日本ガイシ【5333】

 アマダ【6113】

 太陽誘電【6976】

 日東電工【6988】

 ヤマハ発動機【7272】

 凸版印刷【7911】

の11社となりました。

これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。

以上、皆さんの参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

某メーカー勤務のエンジニア。化学工学修士。FP3級×簿記2級。妻と子供2人。お酒が大好きな関西人。週末はヨガ、筋トレ、サウナに励み、最近は料理も趣味。現在FP2級を勉強中。

2019年9月から投資をスタート。米国株式ETF(VOO、VTI、セクター、グロース、高配当)が主な投資先。投資資産1500万円突破。いつか億り人&サイドFIREを夢見て試行錯誤の毎日です。

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