三井物産は割安株なのか?バフェット流「バリュー投資の7つの基準」で日経225銘柄を評価!

なみ

こんにちは、なみです。

今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである三井物産(株)【8031】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。

この記事でわかること
・バリュー投資の7つの基準に沿った三井物産(株)【8031】 の評価
 事業規模は?
 資産と負債のバランスは?
 収益の安定性と成長性は?
 配当はしっかり出てるのか?
 株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・三井物産(株)【8031】は割安株なのか?

あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株は何か?を探し当てるためのご参考にしてください。

ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。

目次

三井物産(株)【8031】 の基本情報

・設立年月日 1947年7月25日
・上場年月日 1949年5月
・業種    卸売業
・特色    三井グループ中核の総合商社。鉄鉱石、原油の生産権益量は商社断トツ。インフラ等にも強み。
・資本金   3,425億円
・従業員数  (単独)5,494人 (連結)44,336人
・株価    3,712円(2023.1.8)
・単元    100株
・決算    3月末日

三井物産は、三井グループの大手総合商社で、三菱商事、伊藤忠商事、住友商事、丸紅と共に五大商社の一社で、三井不動産・三井銀行(現三井住友銀行)と並ぶ『三井新御三家』の一つです。鉄鉱石、原油の生産権益量は商社の中でも群を抜いています。

日本初の総合商社であり、歴史上、まだ「商事会社」という日本語すら無かった明治初期に、あらゆる産品の貿易を手掛け、世界に類を見ない民間企業として発展し、後に日本特有の「総合商社」と称される企業形態の原型を造りました。

金属資源、エネルギー、プロジェクト、モビリティ、化学品、鉄鋼製品、食料、流通事業、ウェルネス事業、ICT事業、コーポレートディベロップメントの各分野において、全世界に広がる営業拠点とネットワーク、情報力などを活かし、多種多様な商品販売とそれを支えるロジスティクス、ファイナンス、さらには国際的なプロジェクト案件の構築など、各種事業を多角的に展開しています。

「世界中の未来をつくる」

大切な地球と人びとの、豊かで夢あふれる明日を実現することをミッションとし、

「360°business innovatiors」

一人ひとりの挑戦と創造で事業を生み育て、社会課題を解決し、成長を続ける企業グループとなることを目指されています。

ではここからは、三井物産(株)に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。

①事業規模

事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」

日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。

卸売業100社の中での各項目のランキングは以下の通りです。

時価総額6兆821億円(3位)
売上高11兆7575億円(3位)
営業利益-(-位)
経常利益1兆1644億円(2位)
純利益9147億2200万円(2位)
営業利益率-(-位)
純利益率7.8%(3位)
総資産16兆377億円(2位)
負債9兆7756億円(2位)
業績に関する各種項目

卸売業の中で売上高は3位、総資産は2位。利益率も高く、純利益率は7.8%の3位、日本の大手総合商社の一社であり、事業規模は文句なしです。

②財務状況

次は財務状況。評価基準は、①「年内に現金になる資産(流動資産)が、年内に支払うべき負債(流動負債)の2倍以上であること」。 また、②「来年以降に支払うべき負債(長期負債=固定負債)が、流動資産からすべての負債を差し引いた純流動資産を超えていないこと」

2022年3月期の決算短信によると、
流動資産:5兆7166億円
流動負債:3兆8086億円
固定負債:5兆3192億円 なので、

①は、流動資産 / 流動負債 = 1.50倍で基準未達

②も、固定負債5兆3192億円 > 純流動資産1兆9080億円 で基準未達となり、

よって、流動資産に対して流動/固定いずれの負債の割合も高いですね。残念ながら、基準未達です。

③収益安定性

収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」

過去10年の業績を確認すると、2016年に赤字があります。資源価格の下落を受けて同社が出資する海外での非鉄金属やエネルギー関連事業などで2600億円の減損を計上したとのこと。残念ながら基準未達です。

年度純利益
2013年3月2966億2300万円
2014年3月 3500億9300万円
2015年3月3064億9000万円
2016年3月-834億1000万円
2017年3月3061億3600万円
2018年3月4184億7900万円
2019年3月4142億1500万円
2020年3月3915億1300万円
2021年3月3354億5800万円
2022年3月9147億2200万円
直近10年間の純利益

④収益成長性

収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間の1株当たり純利益(EPS)が最初の3年間より最低33%以上伸びていること」

IR情報を確認すると、EPSの最初の3年平均が175.1円、直近の3年平均が329.0円なので、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = 87.9%となり、基準達成です。

年度EPS
2013年3月162.16円
2014年3月192.22円 3年平均:175.1円
2015年3月170.98円
2016年3月-46.53円
2017年3月171.2円
2018年3月237.67円
2019年3月238.33円
2020年3月226.13円
2021年3月199.28円3年平均:329.0円
2022年3月561.61円
直近10年間の1株当たり純利益(EPS)

⑤配当

配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」

入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり出てますね。基準達成です。

年度配当金配当利回り
2010年3月18円/株1.15%
2011年3月47円/株3.16%
2012年3月55円/株4.05%
2013年3月43円/株3.27%
2014年3月59円/株4.04%
2015年3月64円/株3.97%
2016年3月64円/株4.94%
2017年3月55円/株3.41%
2018年3月70円/株3.84%
2019年3月80円/株4.65%
2020年3月80円/株5.32%
2021年3月85円/株3.69%
2022年3月105円/株3.16%
直近20年間の配当金と配当利回り

なお、株主優待はありません。

⑥株価収益率

株価収益率の基準は、「PER(株価収益率)」が15倍以下であること。

Yahooファイナンスによると、現在のPERは6.01倍であり、基準達成です。

⑦株価純資産倍率

株価純資産倍率の基準は、「①PBR(株価純資産倍率)が1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPBRは0.96倍であり、①のPBRは基準達成です。

②のPER × PBRも5.77で基準達成です。

まとめ

今回の結果をまとめると以下の通りとなります。

項目評価結果備考
①事業規模売上高11兆7575億円
②財務状況×流動&固定負債多い
③収益安定性2016年赤字
④収益成長性+87.9%
⑤配当利回り3.16%
⑥株価収益率6.01倍
⑦株価純資産倍率0.96倍
結果まとめ

財務状況と収益安定性の2項目で基準未達となり、「三井物産(株)は割安株に該当しない」という結果となりました。成長性もあり、配当もしっかり、PERとPBRも低めであるものの、赤字があることと、負債が多すぎますね。仕方ありません。

三井物産では、2020年に公表した中期経営計画「変革と成長」にて、「エネルギーソリューション」「ヘルスケア・ニュートリション」「マーケット・アジア」の3つの事業領域に注力することとし、成長性と収益性の2つの軸で事業ポートフォリオのあり姿とその実現に向けたプロセスを可視化し、リソース配分をさらに進めることで、各事業の競争力強化と事業ポートフォリオの入替えを実行し、骨太な事業群形成を加速させるとのこと。今後に期待ですね。

というわけで現時点では、

「バリュー投資」の7つの基準をすべてクリアしているのは、

 ・コムシスホールディングス【1721】

 積水ハウス【1928】

 ・宝ホールディングス【2531】

 ・SUMCO【3436】

 ・東ソー【4042】

 ・日本ガイシ【5333】

 アマダ【6113】

 太陽誘電【6976】

 日東電工【6988】

 ヤマハ発動機【7272】

 凸版印刷【7911】

の11社となりました。

これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。

以上、皆さんの参考になれば幸いです。

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