東京エレクトロンは割安株なのか?バフェット流「バリュー投資の7つの基準」で日経225銘柄を評価!

なみ

こんにちは、なみです。

今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである東京エレクトロン(株)【8035】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。

この記事でわかること
・バリュー投資の7つの基準に沿った東京エレクトロン(株)【8035】 の評価
 事業規模は?
 資産と負債のバランスは?
 収益の安定性と成長性は?
 配当はしっかり出てるのか?
 株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・東京エレクトロン(株)【8035】は割安株なのか?

あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株は何か?を探し当てるためのご参考にしてください。

ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。

目次

東京エレクトロン(株)【8035】 の基本情報

・設立年月日 1963年11月11日
・上場年月日 1980年6月
・業種    電気機器
・特色    半導体製造装置で世界3位。コータデベロッパー、エッチング装置、成膜装置など前工程に強み。
・資本金   549億円
・従業員数  (単独)1,920人 (連結)16,859人
・株価    41,170円(2023.1.9)
・単元    100株
・決算    3月末日

東京エレクトロンは、半導体製造装置及びFPD(フラット・パネル・ディスプレイ)製造装置、電子部品・情報通信機器の産業用エレクトロニクス製品を製造・販売しています。

B2B事業をやっているため、知名度が高くありませんが、半導体製造装置分野ではアメリカのアプライド・マテリアルズ、ラムリサーチ、オランダのASMLと競合する世界的な一流企業です。また、フラットパネルディスプレイ分野では、次世代OLED量産方式であるInkjet Printing技術を保有しています。

基本理念は、「最先端の技術と確かなサービスで、夢のある社会の発展に貢献します」

「半導体の技術革新に貢献する夢と活力のある会社」をビジョンとし、世の中の持続的な発展を支える半導体の技術革新を追求し、付加価値の高い最先端の装置と技術サービスを継続的に創出することで、中長期的な利益の拡大と継続的な企業価値の向上を目指されています。

ではここからは、東京エレクトロン(株)に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。

①事業規模

事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」

日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。

電気機器100社の中での各項目のランキングは以下の通りです。

時価総額6兆1166億円(4位)
売上高2兆38億円(10位)
営業利益5992億7100万円(2位)
経常利益6017億2400万円(3位)
純利益4370億7600万円(3位)
営業利益率29.9%(3位)
純利益率21.8%(4位)
総資産2兆1380億円(13位)
負債6458億8100万円(16位)
業績に関する各種項目

電気機器の中で売上高は10位、総資産は13位。利益率はかなり高く、純利益率は21.8%の4位、半導体製造装置で世界トップレベルの一社であり、事業規模は文句なしです。

②財務状況

次は財務状況。評価基準は、①「年内に現金になる資産(流動資産)が、年内に支払うべき負債(流動負債)の2倍以上であること」。 また、②「来年以降に支払うべき負債(長期負債=固定負債)が、流動資産からすべての負債を差し引いた純流動資産を超えていないこと」

2022年3月期の決算短信によると、
流動資産:1兆4087億円
流動負債:4685億7800万円
固定負債:788億2900万円 なので、

①は、流動資産 / 流動負債 = 3.01倍で基準達成

②も、固定負債788億2900万円 < 純流動資産9401億2200万円 で基準達成となり、

よって、流動資産に対して流動/固定いずれの負債の割合も低く、問題ありません。基準達成です。

③収益安定性

収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」

過去10年の業績を確認すると、2014年に赤字があります。主力の半導体製造装置は好調だったが、太陽光パネルの製造装置事業の見直しなどで469億円の減損損失を計上したとのこと。残念ながら基準未達です。

年度純利益
2013年3月60億7600万円
2014年3月 -194億800万円
2015年3月718億8800万円
2016年3月778億9100万円
2017年3月1152億800万円
2018年3月2043億7100万円
2019年3月2482億2800万円
2020年3月1852億600万円
2021年3月2429億4100万円
2022年3月4370億7600万円
直近10年間の純利益

④収益成長性

収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間の1株当たり純利益(EPS)が最初の3年間より最低33%以上伸びていること」

IR情報を確認すると、EPSの最初の3年平均が108.8円、直近の3年平均が1846.9円なので、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = 1597.5%となり、基準達成です。

年度EPS
2013年3月33.64円
2014年3月-108.31円 3年平均:108.8円
2015年3月401.07円
2016年3月461.1円
2017年3月702.25円
2018年3月1245.48円
2019年3月1513.58円
2020年3月1170.56円
2021年3月1562.2円3年平均:1846.9円
2022年3月2807.84円
直近10年間の1株当たり純利益(EPS)

⑤配当

配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」

入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり出てますね。基準達成です。

年度配当金配当利回り
2010年3月12円/株0.19%
2011年3月114円/株2.49%
2012年3月80円/株1.69%
2013年3月51円/株1.22%
2014年3月50円/株0.79%
2015年3月143円/株1.71%
2016年3月237円/株3.23%
2017年3月352円/株2.9%
2018年3月624円/株3.12%
2019年3月758円/株4.74%
2020年3月588円/株2.89%
2021年3月781円/株1.67%
2022年3月1403円/株2.22%
直近20年間の配当金と配当利回り

なお、株主優待はありません。

⑥株価収益率

株価収益率の基準は、「PER(株価収益率)」が15倍以下であること。

Yahooファイナンスによると、現在のPERは16.04倍であり、基準未達です。

⑦株価純資産倍率

株価純資産倍率の基準は、「①PBR(株価純資産倍率)が1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPBRは4.34倍であり、①のPBRは基準未達です。

②のPER × PBRも69.61で基準未達です。

まとめ

今回の結果をまとめると以下の通りとなります。

項目評価結果備考
①事業規模売上高2兆38億円
②財務状況問題なし
③収益安定性2014年赤字
④収益成長性+1597.5%
⑤配当利回り2.22%
⑥株価収益率×16.04倍
⑦株価純資産倍率×4.34倍
結果まとめ

収益安定性と株価収益率、株価純資産倍率の3項目で基準未達となり、「東京エレクトロン(株)は割安株に該当しない」という結果となりました。財務状況はきれいで、成長性も非常に高く、配当もしっかりであるものの、赤字があり、PERとPBRも高いのであれば仕方ありませんね。

東京エレクトロンでは、2022年に発表した中期経営計画にて、半導体製造装置市場の継続的な成長が見込まれる中、ワールドクラスの営業利益率とROEの実現を目指し、2027年3月期までの財務目標として、売上高3兆円以上、営業利益率35%以上、ROE(自己資本利益率)30%以上を掲げ、Best Products、Best Technical Serviceを常に追求し、短期及び中長期的な利益と継続的な企業価値の向上を目指されるとのこと。半導体市場の成長の波に乗ってさらに成長ができそうですし、今後に期待ですね。

というわけで現時点では、

「バリュー投資」の7つの基準をすべてクリアしているのは、

 ・コムシスホールディングス【1721】

 積水ハウス【1928】

 ・宝ホールディングス【2531】

 ・SUMCO【3436】

 ・東ソー【4042】

 ・日本ガイシ【5333】

 アマダ【6113】

 太陽誘電【6976】

 日東電工【6988】

 ヤマハ発動機【7272】

 凸版印刷【7911】

の11社となりました。

これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。

以上、皆さんの参考になれば幸いです。

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