
こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである(株)クレディセゾン【8253】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。


この記事でわかること
・バリュー投資の7つの基準に沿ったクレディセゾンの評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・クレディセゾンは割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株は何か?を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。


(株)クレディセゾン【8253】 の基本情報
・設立年月日 1951年5月1日
・上場年月日 1963年7月
・業種 その他金融業
・特色 流通系カード首位。セゾンカード軸に高島屋などと提携。みずほ銀とのカードめぐる提携を解消。
・資本金 759億円
・従業員数 (単独)4,066人 (連結)5,745人
・株価 1,650円(2023.1.20)
・単元 100株
・決算 3月末日


クレディセゾンは、日本のクレジットカード会社で、かつては西武百貨店や西友などとともに旧セゾングループ(西武流通グループ)の中核的存在でした。
もともと、月賦百貨店であった緑屋が西武百貨店と資本提携したことによりかつて巨大流通グループであったセゾングループに入り、業態を百貨店から転換し現在のクレジットカード会社に至ります。なお「セゾン」は、フランス語で「季節」を意味します。
2001年に巨大流通・不動産グループであったセゾングループが解体した現在においても、旧セゾングループ各社及び西武鉄道を中心とした西武グループの結節点とも言える存在です。
企業理念は以下の通り。
私たちは、サービス先端企業として
「顧客満足主義の実践」
「取引先との相互利益の尊重」
「創造的革新の社風創り」
の3点を共通の価値観として浸透させ競争に打ち勝ち、お客様、株主の皆様、そしてすべての取引先の皆様の期待に添うようにチャレンジを続け、社会的責任を果たしてまいります。
ではここからは、(株)クレディセゾンに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
その他金融業35社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 2615億3700万円(8位) |
売上高 | 3629億5500万円(7位) |
営業利益 | -(-位) |
経常利益 | 499億3600万円(7位) |
純利益 | 353億7500万円(6位) |
営業利益率 | -%(-位) |
純利益率 | 9.7%(16位) |
総資産 | 3兆6911億円(6位) |
負債 | 3兆1024億円(8位) |
その他金融業の中で売上高は7位、総資産は6位。利益率もまずまず高く、純利益率は9.7%の16位、流通系カードの国内最大手であり、事業規模は十分です。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「年内に現金になる資産(流動資産)が、年内に支払うべき負債(流動負債)の2倍以上であること」。 また、②「来年以降に支払うべき負債(長期負債=固定負債)が、流動資産からすべての負債を差し引いた純流動資産を超えていないこと」。
2022年3月期の決算短信によると、
流動資産:3兆390億円
流動負債:1兆2137億円
固定負債:1兆7744億円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 2.50倍で基準達成、
②は、固定負債1兆7744億円 < 純流動資産1兆8253億円 でギリギリ基準達成となり、
よって、流動資産に対して流動/固定負債いずれの割合も低く、問題ありません。基準達成です。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績を確認すると、毎年しっかり利益を上げられおり、問題ありません。基準達成です。
年度 | 純利益 |
2013年3月 | 327億7000万円 |
2014年3月 | 255億5200万円 |
2015年3月 | 126億2800万円 |
2016年3月 | 261億6300万円 |
2017年3月 | 422億5300万円 |
2018年3月 | 384億4600万円 |
2019年3月 | 305億1700万円 |
2020年3月 | 228億6300万円 |
2021年3月 | 361億3200万円 |
2022年3月 | 353億7500万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間の1株当たり純利益(EPS)が最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
IR情報を確認すると、EPSの最初の3年平均が128.2円、直近の3年平均が200.3円なので、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = 56.3%となり、基準達成です。
年度 | EPS | |
2013年3月 | 176.71円 | |
2014年3月 | 139.15円 | 3年平均:128.2円 |
2015年3月 | 68.77円 | |
2016年3月 | 147.37円 | |
2017年3月 | 258.7円 | |
2018年3月 | 235.38円 | |
2019年3月 | 186.84円 | |
2020年3月 | 143.43円 | |
2021年3月 | 231.24円 | 3年平均:200.3円 |
2022年3月 | 226.35円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり出てますね。基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年3月 | 30円/株 | 2.07% |
2011年3月 | 30円/株 | 2.24% |
2012年3月 | 30円/株 | 1.79% |
2013年3月 | 30円/株 | 1.28% |
2014年3月 | 30円/株 | 1.46% |
2015年3月 | 30円/株 | 1.39% |
2016年3月 | 35円/株 | 1.79% |
2017年3月 | 35円/株 | 1.76% |
2018年3月 | 35円/株 | 2% |
2019年3月 | 45円/株 | 3.08% |
2020年3月 | 45円/株 | 3.58% |
2021年3月 | 45円/株 | 3.39% |
2022年3月 | 55円/株 | 4.22% |
なお、株主優待はありません。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PER(株価収益率)」が15倍以下であること。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは6.37倍であり、基準達成です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBR(株価純資産倍率)が1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは0.44倍であり、①のPBRは基準達成です。
②のPER × PBRも2.80で基準達成です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 評価結果 | 備考 |
①事業規模 | 〇 | 売上高3629億円 |
②財務状況 | 〇 | 問題なし |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | 〇 | +56.3% |
⑤配当 | ◎ | 利回り4.22% |
⑥株価収益率 | ◎ | 6.37倍 |
⑦株価純資産倍率 | ◎ | 0.44倍 |
全項目で基準達成となり、「(株)クレディセゾンは割安株に該当する」という結果となりました。特に配当利回りが高く、PERとPBRはかなりの低さ、これはまさに割安株と言える優秀さですね。
クレディセゾンでは、『総合生活サービスグループへの転換~リアルとデジタルの融合でカスタマーサクセスを実現~』を中期経営ビジョンとして掲げ、「Innovative」「Digital」「Global」を基本コンセプトとして、「総合生活サービスグループ」への転換に向けて、グループや提携先と「セゾン・パートナー経済圏」の確立に注力し、グループ企業間の事業シナジーによる他社にはない価値の創造を目指すとのこと。まだまだ成長が期待できそうです。
というわけで新たにクレディセゾンが追加され、現時点では、
「バリュー投資」の7つの基準をすべてクリアしているのは、
・コムシスホールディングス【1721】
・積水ハウス【1928】
・宝ホールディングス【2531】
・SUMCO【3436】
・東ソー【4042】
・日本ガイシ【5333】
・アマダ【6113】
・太陽誘電【6976】
・日東電工【6988】
・ヤマハ発動機【7272】
・凸版印刷【7911】
・クレディセゾン【8253】
の12社となりました。
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。


以上、皆さんの参考になれば幸いです。




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