
こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つであるイオン(株)【8267】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。


・バリュー投資の7つの基準に沿ったイオンの評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・イオンは割安株なのか?



日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?
を探し当てるためのご参考にしてください。


イオン(株)【8267】 の基本情報
・設立年月日 1926年9月21日
・上場年月日 1974年9月
・業種 小売業
・特色 国内流通2強の一角、総合スーパー(GMS)中心。M&Aで成長。上場子会社で金融、不動産など。
・資本金 2,200億円
・従業員数 (単独)433人 (連結)155,465人
・株価 2,549円(2023.1.21)
・単元 100株
・決算 2月末日


日本国内外300を超える企業で構成される大手流通グループ「イオングループ」を統括する純粋持株会社で、「イオン(AEON)」とは、古典ギリシア語「αίών(aiōn、アイオーン)」に由来するラテン語で、「永遠」を意味します。
四日市岡田家の初代岡田惣左衛門が、四日市久六町(現在の三重県四日市市)で創業した太物・小間物商「篠原屋」を起源としており、七代目の岡田卓也(現・名誉会長)が岡田屋、フタギ、シロによる共同仕入会社としてジャスコを設立したのが実質的な創業となっています。
2004年に産業再生法適用を申請した「ダイエー」の再建に携わったり、地場スーパーマーケットやドラッグストアなどとの提携、2007年には流通業としては2社目となる銀行業(イオン銀行)への参入など、幅広く事業拡大を進めています。
お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する。
理念の中心は「お客さま」とし、お客さまへの貢献を永遠の使命とし、最もお客さま志向に徹する企業集団となることを目指されています。
ではここからは、イオン(株)に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
小売業100社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 2兆3172億円(3位) |
売上高 | 8兆7159億円(2位) |
営業利益 | 1743億1200万円(3位) |
経常利益 | 1670億6800万円(3位) |
純利益 | 65億400万円(57位) |
営業利益率 | 2.0%(84位) |
純利益率 | 0.1%(99位) |
総資産 | 12兆3118億円(1位) |
負債 | 10兆3276億円(1位) |
小売業の中で売上高は2位、総資産は1位。利益率はかなり低く、純利益率は0.1%の99位、小売業としてセブンと1,2を争う規模です。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」。
2022年2月期の決算短信によると、
流動資産:7兆1856億円
流動負債:7兆479億円
固定負債:2兆7726億円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 1.02倍で基準未達、
②は、固定負債2.7兆円 > 純流動資産1377億円 で基準未達となり、
流動資産に対して流動/固定負債いずれの割合もかなり高いです。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績を確認すると、2021年に大きな赤字がありますね。コロナ禍での店舗休業や客数減などで総合スーパーだけでなく、テナント運営や金融事業も悪化、店舗の収益性悪化などで578億円の減損損失が出たとのこと。残念ながら基準未達です。
年度 | 純利益 |
2013年2月 | 745億1100万円 |
2014年2月 | 456億円 |
2015年2月 | 420億6900万円 |
2016年2月 | 60億800万円 |
2017年2月 | 112億5500万円 |
2018年2月 | 245億2200万円 |
2019年2月 | 236億3700万円 |
2020年2月 | 268億3800万円 |
2021年2月 | -710億2400万円 |
2022年2月 | 65億400万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
IR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = -122.3%となり、基準未達です。
年度 | EPS | |
2013年2月 | 93.09円 | |
2014年2月 | 55.92円 | 3年平均:66.4円 |
2015年2月 | 50.22円 | |
2016年2月 | 7.19円 | |
2017年2月 | 13.44円 | |
2018年2月 | 29.23円 | |
2019年2月 | 28.11円 | |
2020年2月 | 31.88円 | |
2021年2月 | -84.06円 | 3年平均:-14.8円 |
2022年2月 | 7.69円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり出てますね。基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年2月 | 20円/株 | 2.19% |
2011年2月 | 21円/株 | 2.04% |
2012年2月 | 23円/株 | 2.23% |
2013年2月 | 24円/株 | 2.3% |
2014年2月 | 26円/株 | 2.09% |
2015年2月 | 28円/株 | 2.19% |
2016年2月 | 28円/株 | 1.89% |
2017年2月 | 30円/株 | 1.79% |
2018年2月 | 30円/株 | 1.66% |
2019年2月 | 34円/株 | 1.45% |
2020年2月 | 36円/株 | 1.79% |
2021年2月 | 36円/株 | 1.12% |
2022年2月 | 36円/株 | 1.39% |
なお、株主優待は2,8月の権利確定で100株以上保有でイオンオーナーズカードが2枚もらえ、イオンでの買い物の際に提示することで100~499株なら3%、500~999株なら4%、1,000~2,999株なら5%、3,000株上なら7%のキャッシュバックが受けられます。


イオンイーハート、イオンシネマ、イオンペットなどで会計時割引や優待料金特典あります。個人的にはイオンシネマでいつでも映画1,000円+ポップコーンorドリンク付きというのが気に入ってます。
また、2月末の権利確定で1,000株以上を3年以上保有していれ1,000~1,999株なら2,000円相当、2,000~2,999株なら4,000円相当、3,000~4,999株なら6,000円相当、5,000株以上なら10,000円相当のイオンギフトカードがもらえます。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは86.73倍であり、基準未達です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは2.21倍であり、①のPBRは基準未達です。
②のPER × PBRも211.85で基準未達です。これはちょっと株価が高すぎますね。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 評価結果 | 備考 |
①事業規模 | ◎ | 売上高8兆7159億円 |
②財務状況 | × | 流動&固定負債多い |
③収益安定性 | △ | 2021年赤字 |
④収益成長性 | × | -122.3% |
⑤配当 | 〇 | 利回り1.39% |
⑥株価収益率 | × | 86.73倍 |
⑦株価純資産倍率 | × | 2.21倍 |
財務状況と収益安定性/成長性、株価収益率/純資産倍率の5項目で基準未達となり、



イオン(株)は割安株に該当しません!
という結果となりました。
負債がかなりの多さで、PERとPBRも高すぎです。これではとても割安株とはいえませんね。
ただ、オーナーズカード提示によってイオンでの買い物に対して3%以上のキャッシュバックが受けられる優待メリットは非常に大きく、日常的にイオンで買い物をされる方にとっては魅力的といえます。そういう私もイオン株主の一人、普段よくイオンを利用していますので、現在の優待内容にはとても満足しています。
グループの持続的な成長に向け、デジタルシフトの加速と進化、サプライチェーン発想での独自価値の創造、新たな時代に対応したヘルス&ウェルネスの進化、イオン生活圏の創造などを進めていく
事業展開する日本、中国、アセアン、それぞれの地域の豊かさに結びつく循環型かつ持続可能な経営の実現を目指すそう。今後に期待ですね。
というわけで現時点では、割安株に該当したのは以下の12社となります。
1. コムシスホールディングス【1721】
2. 積水ハウス【1928】
3. 宝ホールディングス【2531】
4. SUMCO【3436】
5. 東ソー【4042】
6. 日本ガイシ【5333
7. アマダ【6113】
8. 太陽誘電【6976】
9. 日東電工【6988】
10. ヤマハ発動機【7272】
11. 凸版印刷【7911】
12. クレディセゾン【8253】
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。


以上、皆さんの参考になれば幸いです。




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