こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである(株)三菱UFJフィナンシャル・グループ【8306】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。
・バリュー投資の7つの基準に沿った三菱UFJフィナンシャル・グループの評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・三菱UFJフィナンシャル・グループは割安株なのか?
日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?
を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。
(株)三菱UFJフィナンシャル・グループ【8306】 の基本情報
・設立年月日 2001年4月2日
・上場年月日 2001年4月1日
・業種 銀行業
・特色 国内最大の民間金融グループ。銀行、信託、証券、カード、リース等。米州、アジアでの展開進む。
・資本金 2兆1415億円
・従業員数 (単独)32,239人 (連結)142,056人
・株価 1,579.5円(2024.4.30)
・単元 100株
・決算 3月末日
メガバンクの三菱UFJ銀行などを傘下に置く三菱グループの金融持株会社で、三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJ証券ホールディングス、三菱HCキャピタル、三菱UFJニコスなど主要中核5社を中心とし、資産規模は約190兆円、世界最大級の総合金融グループです。
前身は旧三菱銀行・旧三和銀行・旧東海銀行はそれぞれ首都圏・京阪神・中京圏の三大都市圏を地盤とし、外国為替専門銀行であった旧東京銀行の流れを汲み、国際業務でも優位性をもっています。
国内トップの金融グループとして、保有する顧客基盤とブランド力は圧倒的な強みですね。
世界が進むチカラになる。
すべてのステークホルダーの思いを叶えるチカラになること、そのために全力を尽くすことを存在意義とし、
環境・社会課題の解決に向けたAction、
これまでにない
デジタルサービス実現に向けたAction、
そして私たち自身の変革に向けたAction。
さまざまなActionで、
世界が今よりもっと良くなるように、
世界を進めるActionを積み重ねていくことを宣言されています。
ではここからは、(株)三菱UFJフィナンシャル・グループに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
銀行業78社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 18兆4442億円(1位) |
売上高 | 9兆2810億円(1位) |
純利益 | 1兆1164億円(1位) |
純利益率 | 12.0%(26位) |
総資産 | 397兆569億円(1位) |
銀行業の中で売上高、総資産とも1位。利益率もまずまず高く、純利益率は12.0%の26位、銀行業として国内トップの規模です。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「流動資産流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」。
2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:200兆3770億円
流動負債:319兆31億円
固定負債:40兆5650億円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 0.63倍で基準未達、
②は、固定負債40.5兆円 > 純流動資産-118.6兆円 で基準未達となり、
流動資産に対して流動/固定負債いずれの割合もかなり高く、基準未達です。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績を確認すると、2009年に一度赤字はありますが、それ以降は毎年しっかり利益を上げられており問題ありません。基準達成です。
年度 | 純利益 |
2014年3月 | 9848億4500万円 |
2015年3月 | 1兆337億円 |
2016年3月 | 9514億200万円 |
2017年3月 | 9264億4000万円 |
2018年3月 | 9896億6400万円 |
2019年3月 | 8726億8900万円 |
2020年3月 | 5281億5100万円 |
2021年3月 | 7770億1800万円 |
2022年3月 | 1兆1308億円 |
2023年3月 | 1兆1164億円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
IR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = +13.4%となり、基準未達です。
年度 | EPS | |
2014年3月 | 69.55円 | |
2015年3月 | 73.22円 | 3年平均:70.4円 |
2016年3月 | 68.51円 | |
2017年3月 | 68.28円 | |
2018年3月 | 74.55円 | |
2019年3月 | 66.91円 | |
2020年3月 | 40.95円 | |
2021年3月 | 60.5円 | |
2022年3月 | 88.45円 | 3年平均:79.9円 |
2023年3月 | 90.73円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり出てますね。基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年3月 | 12円/株 | 2.45% |
2011年3月 | 12円/株 | 3.13% |
2012年3月 | 12円/株 | 2.91% |
2013年3月 | 13円/株 | 2.33% |
2014年3月 | 16円/株 | 2.82% |
2015年3月 | 18円/株 | 2.42% |
2016年3月 | 18円/株 | 3.45% |
2017年3月 | 18円/株 | 2.57% |
2018年3月 | 19円/株 | 2.73% |
2019年3月 | 22円/株 | 4% |
2020年3月 | 25円/株 | 6.2% |
2021年3月 | 25円/株 | 4.22% |
2022年3月 | 28円/株 | 3.68% |
2023年3月 | 32円/株 | 3.77% |
なお、株主優待はありません。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは16.53倍であり、基準未達です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは0.98倍であり、①のPBRは基準達成です。
②のPER × PBRも16.20で基準達成です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 評価結果 | 備考 |
①事業規模 | ◎ | 売上高9.3兆円 |
②財務状況 | × | 流動&固定負債多い |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | △ | +13.4% |
⑤配当 | ◎ | 利回り3.77% |
⑥株価収益率 | △ | 16.53倍 |
⑦株価純資産倍率 | ◎ | 0.98倍 |
財務状況と収益成長性、株価収益率の3項目で基準未達となり、
(株)三菱UFJフィナンシャル・グループは割安株に該当しません!
という結果となりました。
ここ10年赤字もなく、配当も高く非常に魅力的なのですが、あおぞら銀行と同様、負債がかなりの多さで、成長性が物足りないですね。仕方ありません。
「デジタル」、「サステナビリティ経営」、「挑戦・スピード」をテーマに変革を進め、顧客と社会の課題に徹底的に向き合い、課題解決に努める
「金融とデジタルの力で未来を切り拓くNo.1ビジネスパートナー」を目指すとのこと。今後に期待ですね。
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。
以上、皆さんの参考になれば幸いです。
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