
こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つであるANAホールディングス(株)【9202】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。


・バリュー投資の7つの基準に沿ったANAホールディングスの評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・ANAホールディングスは割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。



日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?
を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。


ANAホールディングス(株)【9202】 の基本情報
・設立年月日 1952年12月27日
・上場年月日 1961年10月
・業種 空運業
・特色 国内線、国際線ともに首位。傘下にLCCのピーチ。就航地の積極拡大は様子見。貨物を強化。
・資本金 4,676億円
・従業員数 (単独)267人 (連結)41,016人
・株価 2,972.5円(2023.5.6)
・単元 100株
・決算 3月末日


全日本空輸(ANA)を中心とするANAグループの持株会社で、航空輸送事業を行っていた全日本空輸株式会社が2013年に子会社に事業を譲渡したものです。
航空事業を中心としたエアライングループとして、国内外の航空ネットワークや顧客基盤を活かしながら航空輸送事業、旅行事業、商社事業といった様々な事業を展開しています。
安心と信頼を基礎に、世界をつなぐ心の翼で
夢にあふれる未来に貢献します
経営ビジョンには、「ワクワクで満たされる世界を」を掲げ、空からはじまる多様なつながりを創り、社員・顧客・社会の可能性を広げていくことを目指されています。
ではここからは、ANAホールディングスに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
空運業5社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 1兆3910億円(1位) |
売上高 | 1兆7074億円(1位) |
営業利益 | 1200億3000万円(1位) |
経常利益 | 1118億1000万円(1位) |
純利益 | 894億7700万円(1位) |
営業利益率 | 7.0%(2位) |
純利益率 | 5.2%(1位) |
総資産 | 3兆3667億円(1位) |
負債 | 2兆4963億円(1位) |
空運業の中で売上高、総資産とも1位。利益率も高く、純利益率は5.2%の1位。現在の空運業の国内トップです。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」。
2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:1兆5508億円
流動負債:8834億100万円
固定負債:1兆6129億円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 1.76倍で基準未達、
②も、固定負債1兆6129億円 > 純流動資産6673億円 で基準未達となり、
流動資産に対して流動/固定負債いずれの割合も高いですね。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績を確認すると、2021年と2022年に赤字があります。もちろんコロナ禍の影響ですね。基準未達です。
年度 | 純利益 |
2014年3月 | 188億8600万円 |
2015年3月 | 392億3900万円 |
2016年3月 | 781億6900万円 |
2017年3月 | 988億2700万円 |
2018年3月 | 1438億8700万円 |
2019年3月 | 1107億7700万円 |
2020年3月 | 276億5500万円 |
2021年3月 | -4046億2400万円 |
2022年3月 | -1436億2800万円 |
2023年3月 | 894億7700万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = -534.1%となり、基準未達です。
年度 | EPS | |
2014年3月 | 54.05円 | |
2015年3月 | 112.36円 | 3年平均:130.0円 |
2016年3月 | 223.56円 | |
2017年3月 | 282.35円 | |
2018年3月 | 417.82円 | |
2019年3月 | 331.04円 | |
2020年3月 | 82.66円 | |
2021年3月 | -1082.04円 | |
2022年3月 | -305.37円 | 3年平均:-399.1円 |
2023年3月 | 190.24円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、ここ4年無配ですね。残念ながら基準未達です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2011年3月 | 20円/株 | 0.81% |
2012年3月 | 40円/株 | 1.6% |
2013年3月 | 40円/株 | 2.08% |
2014年3月 | 30円/株 | 1.35% |
2015年3月 | 40円/株 | 1.24% |
2016年3月 | 50円/株 | 1.58% |
2017年3月 | 60円/株 | 1.76% |
2018年3月 | 60円/株 | 1.46% |
2019年3月 | 75円/株 | 1.85% |
2020年3月 | 0円/株 | 0% |
2021年3月 | 0円/株 | 0% |
2022年3月 | 0円/株 | 0% |
2023年3月 | 0円/株 | 0% |
なお、株主優待は3月末および9月末の権利確定で100株以上保有ならANA国内線やグループ各社、提携ホテルで利用できる株主優待ご案内書がもらえます。


⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは17.48であり、基準未達です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは1.62倍であり、①のPBRは基準未達です。
②のPER × PBRも28.32で基準未達です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 結果 | 備考 |
①事業規模 | ◎ | 売上高1兆203億円 |
②財務状況 | × | 流動&固定負債多い |
③収益安定性 | × | 2021年と2022年赤字 |
④収益成長性 | × | -534.1% |
⑤配当 | × | 2020年~2023年無配 |
⑥株価収益率 | △ | 17.48倍 |
⑦株価純資産倍率 | × | 1.62倍 PER×PBRもNG |
事業規模以外すべてが基準未達となり、



ANAホールディングス(株)は割安株に該当しません!
という結果となりました。
コロナ禍の影響をもろに受けた航空業界ですからね。さすがに厳しいです。
航空事業を軸に、安心・安全を基盤として、ANA・Peach・AirJapanの3ブランド展開により、世界の需要を幅広く取り込んでいく
また、ライフバリュー事業の強化を図り、先端技術をもとに社会課題を解決するavatarinやANA Mall、ANA Payなどのマイル事業を軸としたサービスでANA経済圏を拡大し、「マイルで生活できる世界」を実現していくそう。2022年度はようやく黒字達成とのことですし、今後に期待しましょう。
というわけで現時点では、割安株に該当したのは以下の12社となります。
1. コムシスホールディングス【1721】
2. 積水ハウス【1928】
3. 宝ホールディングス【2531】
4. SUMCO【3436】
5. 東ソー【4042】
6. 日本ガイシ【5333
7. アマダ【6113】
8. 太陽誘電【6976】
9. 日東電工【6988】
10. ヤマハ発動機【7272】
11. 凸版印刷【7911】
12. クレディセゾン【8253】
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。


以上、皆さんの参考になれば幸いです。




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