ユニチカは割安株なのか?バフェット流「バリュー投資の7つの基準」で日経225銘柄を評価!

なみ

こんにちは、なみです。

今回の記事では、日経225構成銘柄の1つであるユニチカ(株)【3103】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。

この記事でわかること
・バリュー投資の7つの基準に沿ったユニチカ(株)【3103】 の評価
 どんな会社?
 事業規模は?
 資産と負債のバランスは?
 収益の安定性と成長性は?
 配当はしっかり出てるのか?
 株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・ユニチカ(株)【3103】 は割安株なのか?

あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株は何か?を探し当てるためのご参考にしてください。

ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。

目次

ユニチカ(株)【3103】 の基本情報

・設立年月日 1889年6月19日
・上場年月日 1949年5月
・業種    繊維製品
・特色    繊維事業は不採算部門の撤退・集約など構造改革進展。フィルムや樹脂など高分子事業を強化。
・資本金   1億円
・従業員数  (単独)1,366人 (連結)3,037人
・株価    228円(2022.6.25)
・単元    100株
・決算    3月末日

ユニチカは、1889年に尼崎紡績として創立し、1969年のニチボーと日本レイヨンの合併により、総合繊維会社の「ユニチカ」となりました。

その後、繊維技術の応用で事業の多角化を推し進め、現在では機能素材メーカーとして、高分子、機能資材、繊維等の事業を推進し、日常で使われる生活に馴染みあるものから通常は目にすることのない産業用途まで、独自の高分子技術をベースに多様な素材や技術による製品を生み出しています。

事業内容は、大きく分けて高分子事業、機能資材事業、繊維事業の3事業。高分子事業はフィルム、樹脂の2分野に展開し、グローバルな活動を行われています。

機能資材事業は不織布、活性炭繊維、ガラス繊維、ガラスビーズ、産業繊維などの製品を展開されており、独自性の高い製品群によって、展開領域を幅広くとらえた活動を進められています。

繊維事業は医療や寝装品用途の繊維製品・製品を展開し、原材料から製造販売に至る一貫体制で取り組まれています。

売上高は3事業で同じくらいですが、利益の大半は高分子事業が稼ぎ出しています。特にバリアナイロンフィルム「エンブレムHG」などのフィルム事業が好調のようですね。

ではここからは、ユニチカ(株)に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。

①事業規模

事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」

日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。

繊維製品51社の中での各項目のランキングは以下の通りです。

時価総額131億4500万円(20位)
売上高1147億1300万円(10位)
営業利益60億500万円(9位)
経常利益63億9900万円(10位)
純利益22億2300万円(16位)
営業利益率5.2%(18位)
純利益率1.9%(29位)
総資産1913億9900万円(6位)
負債1483億2800万円(5位)
業績に関する各種項目

繊維製品の中で売上高は第10位。総資産も第6位で日経225企業の繊維製品の中でもトップレベルの一社です。利益率は営業利益率が5.2%で業界18位とまずまずながら、純利益率は1.9%とかなり低め、それでも大手繊維メーカーの一社として事業規模は文句なしのレベルです。

②財務状況

次は財務状況。評価基準は、①「年内に現金になる資産(流動資産)が、年内に支払うべき負債(流動負債)の2倍以上であること」。 また、②「来年以降に支払うべき負債(長期負債=固定負債)が、流動資産からすべての負債を差し引いた純流動資産を超えていないこと」

2022年3月期の決算短信では、ユニチカの流動資産は80,926百万円、流動負債は121,768百万円、固定負債は26,559百万円なので、

①は、流動資産 / 流動負債 = 0.66倍で基準未達

②は、固定負債26,559百万円 > 純流動資産-40,842百万円 で基準未達となり、

よって、流動/固定いずれの負債の比率も高く、基準未達です。

③収益安定性

収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」

ユニチカの業績を確認すると、ここ10年で2013年3月、2015年3月、2020年3月に赤字があり、残念ながら基準未達です。2020年3月期は訴訟損失、タイ子会社の業績悪化による特別損失の影響とのことです。

10年で3回の赤字はなかなか厳しいですね。2014年にはメインバンクに金融支援を要請、資本金も1億円に減資するなど、事業構造の改善を進められています。

年度純利益
2013年3月-108億7500万円
2014年3月 5億8300万円
2015年3月-270億3300万円
2016年3月69億3300万円
2017年3月73億8900万円
2018年3月80億8100万円
2019年3月52億3200万円
2020年3月-21億5800万円
2021年3月38億6400万円
2022年3月22億2300万円
直近10年間の純利益

④収益成長性

収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間の1株当たり純利益(EPS)が最初の3年間より最低33%以上伸びていること」

ユニチカのIR情報を確認すると、EPSの最初の3年平均が-215.8円、直近の3年平均が22.7円なので、最初の3年がマイナスである以上、計算上は∞であり、一応基準達成です。 そもそも3年平均で赤字な時点でダメなんですけどね。

年度EPS
2013年3月-188.65円
2014年3月10.11円最初の3年平均:-215.8円
2015年3月-468.72円
2016年3月120.21円
2017年3月128.12円
2018年3月140.13円
2019年3月90.74円
2020年3月-37.43円
2021年3月67.02円直近の3年平均:22.7円
2022年3月38.56円
直近10年間の1株当たり純利益(EPS)

⑤配当

配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」

ユニチカのIR情報を確認すると、ずっと無配です。もちろん基準未達です。 この経営状態では仕方なしでしょうか。

年度配当金配当利回り
2010年3月0円/株0%
2011年3月0円/株0%
2012年3月0円/株0%
2013年3月0円/株0%
2014年3月0円/株0%
2015年3月0円/株0%
2016年3月0円/株0%
2017年3月0円/株0%
2018年3月0円/株0%
2019年3月0円/株0%
2020年3月0円/株0%
2021年3月0円/株0%
2022年3月0円/株0%
直近10年間の配当金と配当利回り

もちろんですが、株主優待もありません。

⑥株価収益率

株価収益率の基準は、「PER(株価収益率)」が15倍以下であること。

Yahooファイナンスによると、現在のPERは8.76倍であり、基準達成です。

⑦株価純資産倍率

株価純資産倍率の基準は、「①PBR(株価純資産倍率)が1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPBRは0.75倍であり、①のPBRは基準達成です。

②のPER × PBR も6.57で基準達成です。

まとめ

今回の結果をまとめると以下の通りとなります。

項目評価結果備考
①事業規模売上高1147億円
②財務状況×流動&固定負債多い
③収益安定性×2013年,2015年,2020年赤字
④収益成長性+∞
⑤配当×ずっと無配
⑥株価収益率8.76倍
⑦株価純資産倍率0.75倍
結果まとめ

財務状況と収益安定性、配当の3項目で基準未達となり、「ユニチカ(株)は割安株には該当しない」という結果となりました。

慢性的な赤字体質であり、ちょっと経営状態が悪すぎますね。ずっと無配であることも大きなマイナスポイントです。フィルム事業など、繊維以外の事業をしっかり成長軌道に乗せて、事業構造を大幅に改善していかないと割安株への道は遠そうです。

以上、皆さんの参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

某メーカー勤務のエンジニア。化学工学修士。FP3級×簿記2級。妻と子供2人。お酒が大好きな関西人。週末はヨガ、筋トレ、サウナに励み、最近は料理も趣味。現在FP2級を勉強中。

2019年9月から投資をスタート。米国株式ETF(VOO、VTI、セクター、グロース、高配当)が主な投資先。投資資産1500万円突破。いつか億り人&サイドFIREを夢見て試行錯誤の毎日です。

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