日産化学は割安株なのか?バフェット流「バリュー投資の7つの基準」で日経225銘柄を評価!

なみ

こんにちは、なみです。

今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである日産化学(株)【4021】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。

この記事でわかること
・バリュー投資の7つの基準に沿った日産化学(株)【4021】 の評価
 どんな会社?
 事業規模は?
 資産と負債のバランスは?
 収益の安定性と成長性は?
 配当はしっかり出てるのか?
 株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・日産化学(株)【4021】 は割安株なのか?

あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株は何か?を探し当てるためのご参考にしてください。

ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。

目次

日産化学(株)【4021】 の基本情報

・設立年月日 1921年4月7日
・上場年月日 1949年5月
・業種    化学
・特色    1887年に化学肥料で創業。液晶配向膜等の機能性材料と農薬が収益柱。医薬、基礎化学品も。
・資本金   189億円
・従業員数  (単独)1,929人 (連結)2,737人
・株価    6,510円(2022.7.7)
・単元    100株
・決算    3月末日

日産化学は、1887年に高峰譲吉、渋沢栄一、益田孝らにより、日本初の化学肥料製造会社である東京人造肥料会社として創業しました。その後、関東酸曹株式会社、日本化学肥料株式会社等を合併していったのちに、日産化学工業株式会社に改称、さらに2018年には「工業」の枠を超えて事業を展開し、将来に向かってその流れを加速させる姿勢を明確化するため、社名を日産化学に変更したそうです。

メラミン、硫酸・硝酸・アンモニアなどの工業薬品類、封止剤用などの特殊エポキシ「テピック」などのファインケミカル類を扱う化学品事業、ポリイミド樹脂を原料とする液晶配向材「サンエバー」などを扱う機能性材料事業、その他ヘルスケア事業や企画本部の4つの事業領域で培ったコア技術を発揮されています。

世の中にない新たな技術や製品を生み出すことにこだわり、その原動力を「研究開発」と位置づけ、積極的な研究開発への投資により、新技術・製品の創造に注力しており、売上高研究開発費比率も高く、「独自の革新的な技術で社会の要請に応える未来創造企業」として、今後も社会との相乗的発展を目指されています。

ではここからは、日産化学(株)に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。

①事業規模

事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」

日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。

化学215社の中での各項目のランキングは以下の通りです。

時価総額8851億200万円(11位)
売上高2079億7200万円(36位)
営業利益509億5900万円(17位)
経常利益536億9000万円(19位)
純利益387億7600万円(16位)
営業利益率24.5%(9位)
純利益率18.6%(7位)
総資産2796億8700万円(39位)
負債716億7800万円(47位)
業績に関する各種項目

化学の中で売上高は第36位。総資産も第39位で業界の中では控え目の位置。ただ利益率は高く、営業利益率が24.5%の業界9位、純利益率は18.6%で業界7位。もちろん事業規模は文句なしです。

②財務状況

次は財務状況。評価基準は、①「年内に現金になる資産(流動資産)が、年内に支払うべき負債(流動負債)の2倍以上であること」。 また、②「来年以降に支払うべき負債(長期負債=固定負債)が、流動資産からすべての負債を差し引いた純流動資産を超えていないこと」

2022年3月期の決算短信では、日産化学の流動資産は175,279百万円、流動負債は65,971百万円、固定負債は5,706百万円なので、

①は、流動資産 / 流動負債 = 2.66倍で基準達成

②は、固定負債5,706百万円 < 純流動資産109,308百万円 で基準達成となり、

よって、流動資産に対して流動/固定負債とも少なくきれいな財務状況ですね。基準達成です。

③収益安定性

収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」

日産化学の業績を確認すると、きれいな右肩上がりですね!もちろんは赤字などはなく、基準達成です。

年度純利益
2013年3月138億7900万円
2014年3月 167億100万円
2015年3月181億9900万円
2016年3月223億5000万円
2017年3月240億2600万円
2018年3月271億4200万円
2019年3月293億7200万円
2020年3月307億7900万円
2021年3月334億7000万円
2022年3月387億7600万円
直近10年間の純利益

④収益成長性

収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間の1株当たり純利益(EPS)が最初の3年間より最低33%以上伸びていること」

日産化学のIR情報を確認すると、EPSの最初の3年平均が100.1円、直近の3年平均が237.9円なので、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = 137.7% となり、基準達成です。

年度EPS
2013年3月84.12円
2014年3月102.11円 3年平均:100.1円
2015年3月113.99円
2016年3月143.37円
2017年3月156.97円
2018年3月180.29円
2019年3月197.67円
2020年3月210.08円
2021年3月231.72円3年平均:237.9円
2022年3月271.88円
直近10年間の1株当たり純利益(EPS)

⑤配当

配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」

入手できる範囲で日産化学のIR情報を確認すると、毎年しっかり配当が出ており、基準達成です。 ここ最近はしっかり連続増配されている点もいいですね。

年度配当金配当利回り
2010年3月24円/株1.83%
2011年3月24円/株2.79%
2012年3月24円/株3.09%
2013年3月26円/株2.29%
2014年3月30円/株1.94%
2015年3月36円/株1.45%
2016年3月44円/株1.52%
2017年3月52円/株1.6%
2018年3月68円/株1.54%
2019年3月82円/株1.62%
2020年3月90円/株2.28%
2021年3月104円/株1.76%
2022年3月122円/株1.69%
直近20年間の配当金と配当利回り

なお、株主優待はありません。

⑥株価収益率

株価収益率の基準は、「PER(株価収益率)」が15倍以下であること。

Yahooファイナンスによると、現在のPERは23.28倍であり、基準未達です。

⑦株価純資産倍率

株価純資産倍率の基準は、「①PBR(株価純資産倍率)が1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPBRは4.48倍であり、①のPBRは基準未達です。

②のPER × PBR も104.29で基準未達です。驚異の高さです。

まとめ

今回の結果をまとめると以下の通りとなります。

項目評価結果備考
①事業規模売上高2079億円
②財務状況問題なし
③収益安定性赤字なし
④収益成長性+137.7%
⑤配当利回り1.69%
⑥株価収益率×23.28倍
⑦株価純資産倍率×4.48倍
結果まとめ

株価収益率、株純資産倍率の2項目で基準未達となり、「日産化学(株)は割安株に該当しない」という結果となりました。財務状況や収益成長性などは非常に優秀なのですが、なにぶん株価が高すぎます。買われまくってます。

本評価の主旨は割安株を探すことなので、こればっかりは仕方なしですね。日産化学は素晴らしい企業です。はい。もし今後安くなったら買いましょう!

というわけで現時点では、「バリュー投資」の7つの基準をすべてクリアしているのは、コムシスホールディングス【1721】と積水ハウス【1928】、宝ホールディングス【2531】、SUMCO【3436】の4社です。

これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。

以上、皆さんの参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

某メーカー勤務のエンジニア。化学工学修士。FP3級×簿記2級。妻と子供2人。お酒が大好きな関西人。週末はヨガ、筋トレ、サウナに励み、最近は料理も趣味。現在FP2級を勉強中。

2019年9月から投資をスタート。米国株式ETF(VOO、VTI、セクター、グロース、高配当)が主な投資先。投資資産1500万円突破。いつか億り人&サイドFIREを夢見て試行錯誤の毎日です。

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